吸血鬼とモブJK【ジョジョの奇妙な冒険】

OVER HEAVEN ページ16

「貴様、引力を信じるか？生きるとはどういう事だと思う？このDIOが特別に教えてやろう、本当の幸福とはな…」


『あぁ、どうしよう全然眠れない』


「何だ起きていたのか」


『耳元で小難しい哲学をぺちゃくちゃ喋られたら、そりゃ寝れないですよ〜！』



「いや、この際寝なくていい。このDIOの話を聞け」



『昼夜逆転生活を送っているからって、私の睡眠の邪魔をするのは禁忌っすよ。哲学の話はまたにしてくれ』



私は布団を頭まで被り、音を完全にシャットアウト。


流石のDIOもこれ以上私に何かしてくることはなかった。



寝る前に1つ……私にとって生きることとは




"緩く楽しく暮らすこと"(公共の福祉に反さない範囲で)



きっとDIOさんからしたら、生ぬるい考えでバカバカしいものだと思うけど自分的にこれが合っているのだ。



人のために生きるとか、人生の目的とか色々な啓蒙思想があるけれど結局全員幸せになりたいだけなんだと思う。



『………』



いや、めっちゃ痛いポエマーみたいなこと言うじゃん。


全くDIOさんのこと言えねぇわ。


なんかこういうセンチメンタルな事って、自分で語っといて恥ずかしくなるときあるよね。



そんな事を考えている間に思考が段々脱落して行って、気づいた時にはまどろみの中へ意識を落としていた。


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"天国へ行く方法"


Aが眠りについたあと、DIOは懐から分厚い日記帳を取り出した。


そして何枚かページをめくり真っ白なページを出すと、Aの部屋の隅っこに落ちているボールペンを拾い、文字を綴った。



"如月Aという女について"



天国に行く方法とこの少女は何ら関係のないように見えて、実はDIOにとって重要なことだったりするらしい。



"Aは実にイカれている女だ。恐怖心がないのか警戒心がないのか、私を目の前にしても慄然とした姿は決して見せなかった。きっと脳の一部が腐敗しているのだろう。"




所々Aに対する悪口が垣間見えるが、ボールペンの先端は休むことなく白い紙の上に頑なな音を立て続けた。



"だからこそ興味を持ったのかもしれない。



生ぬるい平和ボケした面をして、実は強力な力を持っている所や、その見た目によらず末恐ろしい覚悟を決めている所が奴の違和感なのだ。"



覚悟を持つものが幸福と言うのならば＿＿＿＿＿



天国に行く方法。


それは、もしかしたらコイツがそのヒントをくれるかもしれない。

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