ドラム缶洗濯機。

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向井 side





今日ははじめましてのモデルさんの撮影。


人と話せるには話せるけど、人見知りはいつも発動してしまう。


どうやら今日撮影するモデルさんは今若者に人気の目黒蓮さんらしい。


高身長の、黒髪テクノカット、昭和顔で今急上昇中だ。


しかしその目黒さんは結構塩対応らしくて、


今日の撮影は不安でしかない…。


女性スタッフの黄色い歓声が耳に入ってきたので、目黒さんがスタジオに入ったのだと察する。


登場した目黒さんは、女性スタッフに高い声で挨拶されても、軽く会釈だけして視線はスマホに向けられたまま、マネージャーさんの後を着いてくるだけだった。


めっちゃ冷たいやん…。


とりあえず深呼吸だけして重たい脚を動かす。


にっこにこの笑顔でまずはマネージャーさんに挨拶をする。


マネージャーさんの方はとてもいい方で、にこやかに返してくれた後、目黒さんに挨拶をするよう急かした。


ゆっくりとスマホから視線が俺にうつる。




橙「あ、こんにちは。今日担当するカメラマ＿＿＿」


黒「どこの事務所の方ですか！？」




俺が挨拶を言い切る前に、なぜだか目をキラッキラにした目黒さんに手を握りしめられた。




橙「え、？え…っと、」


黒「今日もしかして一緒に撮影ですか！？」




ー



どうやら目黒さんは俺のことをどこかのモデルだと思ったらしい。


俺がカメラマンだというのをつたえると、とてもがっかりした様子でカメラマンなんてもったいない…、と呟いていた。


後でマネージャーさんが教えてくれたのだが、あんなに人に興味を持つなんて初めてだったそうだ。


帰り際連絡先を交換してほしいと頼まれたのだが、さすがに有名なモデルさんと連絡を取るのは気が引けたので断ってしまった。


目黒さんは捨てられた子犬みたいな顔をしてまた絶対会いに来ます！そのときは交換してください！と宣言して帰っていった。


目黒さんが帰った後に女性スタッフにボコされたので、(口喧嘩)心が痛いまま家に帰った。





．



これで回想シーンは終わり、本編(？)に入るのでこれからもよろしくお願いいたします。

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