ヒサシブリ ページ12
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「もしかして僕の事、」
『覚えてるよ』
正直、聞きたいことは山ほどあった
『あのさ』「あの、」
『あ、先に』「先どうぞ」
『ふふ』「えへへ」
甘いけど心地よい空間
『いいよ、先に』
「あ、はい、あの」
何故アイドル辞めちゃったんですか。
聞かれると思った
『もう用がなくなったの』
「よう?」
『そう。』
全て話した。親の期待。借金。死。
「そうだったんですね。」
申し訳なさそうにしながらも最後まで聞いてくれた
「Aさんは?」
『呼び捨てで良いし、タメでいいよ』
「あ、うん」
『何でまたねから来なかったの?』
一番じゃないけど気になってたこと
「大学受験だよ」
表情は暗く、これ以上聞くなと言わんばかりに
煙草に火を着けた
微かに手が震えてるのを寒さだと勘違いさせ
私の卒業も1月頃だったしなと自分を納得させ
『瑞稀くんのオススメ下さい』
といいながら
私も煙草を手に取った
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作者名:おさく | 作成日時:2021年12月16日 22時