10 gd ページ10
「病院にいってみよ？
きっと大丈夫だとおもうんだけど
Aがしんぱいで…
俺が一緒についてるから
もう、どこにも行かないから…」
Aをこれ以上動揺させないように
努めて落ち着いた声で且つ言葉を選んでそう言うと
初めは俺を見つめて「(ううん)」と首を振っていたが
両手を包み、親指でその甲をなで続けていると
やがて「(うん)」と頷いてくれた
「…いいこだね
今、車をよういさせるよ」
その声に合わせてマネージャーが動いた
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「診察の結果ですが…
これといって異常は見受けられませんでした。
考えられる原因としては…おそらく心因性の何か。
その何かが、あるきっかけで、声が出ないという状態になって現れた
そう考えるのが、妥当と言えるでしょう。
何か心当たりはありますか？」
医者の言葉
疑いが確信に変わる
「心因性」そのいかにもな言葉に胸が締め付けられた
韓国語が分からないAは心配そうな表情で医者と俺の顔を交互に見つめ、やがて俯いてしまった。
「眠れないようでしたら安定剤を出しておきますけど、どうなさいますか？」
医者のその言葉に
「お願いします…」
そう答え、Aの肩を抱いて診察室を出た
ロビーでは、マネージャーとスンリが俺たちが出てくるのを待っていた。スンリは「俺なら上手く日本語で伝えてあげられますから！」と付いてきたが、純粋にAが心配だったのだろう。
その証拠に、俺たちが待合室に戻ると、すぐさま俺のところに駆け寄ってきた。
「ヒョン！どうでした？」
「たいしたことないそうだ。2〜3日休めば
良くなってくるだろうって」
反射的に嘘をつく
「ほんとですか！？
『Aちゃん！よかったですね！
お医者さんがすぐに良くなるって言ってたそうですよ♩』
そうAに日本語で伝えると
言葉はないがぱーっと表情が晴れ
「(ほんと)？」
と安堵の表情が見えた
「そうですよ！
あとはヒョンとゆっくり過ごして
心を充電すればばっちりですよ。
ね、ヒョン？」
そう振られて、
俺は「ああ」
その一言しか出てこなかった
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Sora123(プロフ) - 文面がすんごい好みだし、面白いです。更新待ってます。 (2018年7月4日 2時) (
レス) id: 38b3b19b0b (このIDを非表示/違反報告)
mayu.(プロフ) - はなこさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて大変嬉しく思います。少しずつの更新になってしまいますが、今後ともよろしくお願いします(^^) (2018年3月6日 20時) (レス) id: 80e42430ef (このIDを非表示/違反報告)
はなこ - 久しぶりに小説にハマってしまい最初から立て続けに読んでしまいました！！mayuさんの世界観と言葉選びがとても好きです。更新楽しみにしてます♪ (2018年3月3日 0時) (レス) id: 679653580c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mayu | 作成日時：2018年2月19日 22時
