29 Glory ページ29
ジヨンさんに電話をしながらぐんぐんと歩いていくスンリさん
今からジヨンさんに会う？
何を話したらいいのだろう
勘の鋭いジヨンさんだから
俺の気持ちがばれてしまうかもしれない
「スンリさん！」
思う前に口から呼び止める声が出ていた
しかし、その声が合図かのように
少し遠くのドアが開いて
半分裸のような格好のジヨンさんと
目が合ってしまったのだった
駆け寄っていくスンリさんの背中がぼんやりと目に移っていた
俺は引きつけに合ったかのように
ジヨンさんから目を離せずにいて
はっと我に返って慌ててお辞儀をしたのだった
それからは、ほんとうによく覚えていないのだが
気付くとスンリさんの背中が近くにあって
スンリさんに向いていたジヨンさんの瞳が俺に移り、そして捕らえられた
「それ」
とジヨンさんが俺を指差す
「え？」
察しが悪くいると
「それ、ちょーだい」
と先ほどスンリさんから貰ったミネラルウォーターを顎で示された
「あっ、はい 」
差し出すと、ピョンと指で少し弾いてから掴み
その形のいい唇を付けて、それを飲んだ
俺もスンリさんも、ただ黙ってその姿を見ているしか出来なかった
「ん」
今度は、それを俺に突きだす
蓋は開いたままだった
「ん」
もう一度そうされて
受け取り、少しだけ口に含んだ
「 Glory 」
名前を呼ばれ、再びはっとする
何なのかも分からない緊張感がそこに走った
すると、ジヨンさんは半身で押さえていたドアの中に一度消え、すぐにまた出てきた
そして
「これ、持ってて
昼前に起こしにきてくれないか？
そして、俺ら一緒に遅いモーニングでも食べよう
スンリも
いいだろ？」
そう言って、カードキーを渡してきた
手に持たされたそれに、困惑する
「ヒョ、ヒョン！そんなことなら、俺が起こしに来ますよ！
Gloryも嫌なことは嫌って言わないと！この人、ほんと起きないんで大変なんだよ
ね！ヒョン、俺が来ますから！」
スンリさんが慌ててフォローに入る
すると
「アッハッハ！！」
ジヨンさんが大袈裟に笑って見せた
俺もスンリさんも尚更困惑する
「冗談だよ
でも、なんか面白いし、やっぱり頼むよ
Glory」
そう言って肩を叩かれた
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Sora123(プロフ) - 文面がすんごい好みだし、面白いです。更新待ってます。 (2018年7月4日 2時) (
レス) id: 38b3b19b0b (このIDを非表示/違反報告)
mayu.(プロフ) - はなこさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて大変嬉しく思います。少しずつの更新になってしまいますが、今後ともよろしくお願いします(^^) (2018年3月6日 20時) (レス) id: 80e42430ef (このIDを非表示/違反報告)
はなこ - 久しぶりに小説にハマってしまい最初から立て続けに読んでしまいました！！mayuさんの世界観と言葉選びがとても好きです。更新楽しみにしてます♪ (2018年3月3日 0時) (レス) id: 679653580c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mayu | 作成日時：2018年2月19日 22時
