28 gd ページ28
うつ伏せに眠るA
先ほどまで真っ暗だった部屋が空が白んできたことで、青白く照らされてきていた
その美しい流れを毛布で隠した
そっと長い髪に触れようとしたところで
携帯が鳴った
prrrrrr.prrrrrr
部屋に響くその機械的な音
Aとの世界から、現実に戻されていく
Aを起こさないようにそっとベッドから降りガウンを羽織る
画面に表示される名前をみて小さくため息をつき
「はい」
と出た
「あ！やっぱり起きてました？
今、この階のロビーにいるんですよ
俺眠れなくて…」
スンリの声が頭に響いて思わず顔をしかめた
冷蔵庫を開ける
酒ばかりが並んでいて、扉を閉めた
「んっ…」
Aが起きてしまいそうで、ドアのそばまできて壁にもたれかかった
「ヒョンどこの部屋ですか？
いつもことこですか？」
電話の向こうで
コツ
コツ
コツ
と足音が聞こえた
「俺はもう寝るよ
おやすみ」
そう言って切ろうとしたときに電話口から
「…スンリさん…」
という声が聞こえて俺の思考が止まる
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「声が出ないの？」
Aのそれに気づいたのは
俺ではなかった
彼がAを見つめる目には同情の影があって
その同情を生んでいるのは
紛れもなく俺であることに
俺の自尊心は傷ついた
それでも必死に俺に抱きついてくるAの存在で
やっと俺は冷静になることができたのだった
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ガチャ
部屋のドアを開ける
少し先にスンリと
そしてあいつが見えた
「ヒョン！
やっぱりいつもの部屋だったんですね♩」
そう言ってスンリが駆け寄ってきた
その向こうでGloryは礼儀正しくお辞儀をしたのだった
「ヒョンもう寝てました？
Aちゃんと一緒ですか？
俺らこれから飲もうかと言ってたんですが…
ヒョンはもうそんな感じじゃないですね」
スンリが一通り喋るのをなんとなく聞いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 335人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Sora123(プロフ) - 文面がすんごい好みだし、面白いです。更新待ってます。 (2018年7月4日 2時) (
レス) id: 38b3b19b0b (このIDを非表示/違反報告)
mayu.(プロフ) - はなこさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて大変嬉しく思います。少しずつの更新になってしまいますが、今後ともよろしくお願いします(^^) (2018年3月6日 20時) (レス) id: 80e42430ef (このIDを非表示/違反報告)
はなこ - 久しぶりに小説にハマってしまい最初から立て続けに読んでしまいました！！mayuさんの世界観と言葉選びがとても好きです。更新楽しみにしてます♪ (2018年3月3日 0時) (レス) id: 679653580c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mayu | 作成日時：2018年2月19日 22時
