大鷲達の最後の愛物語〜３〜

花嫁 ページ2

「花嫁…？」
そういえば昔聞いたことある、絶望しながら死んだ者は悪魔の花嫁になる。
じゃあ僕が今その状況なのかな…けど、もう僕は死んでいたとしてもグレーと一緒に居たい。
こんな僕の事を本当に愛しているかわからない奴の花嫁になんてなりたくない、まあ…グレーも僕の事を本当に愛していたかわからないけどさ。
「本当に愛していますよ？でなければ私はここに居ませんから。」
…心を読まれてる。
「そりゃあ心ぐらい読めますよ。悪魔ですから。」
便利だね、悪魔って。けど、
「僕の心を奪う事は無理なんでしょ。」
悪魔は宝石のように赤い目を細めながら笑う。
その顔は僕を何か嫌な気分にさせた。


「…ああ、花嫁ですから指輪もつけないと」
そういいながら悪魔は近づいてくる、気持ち悪い。
僕は近づいてくる悪魔の顔を爪でひっかいた。無駄にかっこいい顔に傷ができる、なんでだろう。
こんな奴が傷ついたのに僕の心にも傷ができた。
そういえばこいつに昔あったような気がする、気がするだけかもしれないが。
「ひどいですねえ。傷がついちゃ…あら、もうこちらに向かってきてるのですか？しつこい人ですねえ。」
グレーだ、名前は言わないけどなぜかグレーだと思えた。
いや、グレーの他にそんな人が居ないからかもしれないが。

…あれ、この人は僕を好きになってくれてる。
それだけでも、嬉しい事。
それなら、このままでもいいかもしれないかな。









…グレー…ごめん、早く助けに来て…ね。







そうじゃないと、僕。あと少しで壊れそうだ。

終わらない悪夢→←幻想にまみれて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す