50 記念日（終） ページ50
テーブルの上に並べられた
料理を３人で囲むと
ずっと前からこうして来たみたいな気持ちになる。
１年前に突然
家族になった俺たちの
今日は記念日だ。
「メリークリスマスっ。いただきまぁす！」
友達のこと勉強のこと
色んな話しをしながら
時は過ぎて行く。
「智佳、クリスマスプレゼント。」
「ホント？！」
サンタクロースにお願いしないのかと聞いたら
去年俺を連れて来てくれたから
もうサンタクロースに願うことはないって
何も言わなかったカノジョ。
包みを開けて
笑顔を見せた。
「ありがとうっ！お父さんっ！」
一瞬耳を疑った。
「....ぇ。」
「ねぇお父さん、智佳に似合う？」
「智佳......？」
言葉を失う俺に
恥ずかしそうにはにかんだ。
「’パパ’は.....あそこにいるから.....パパはいつまでもパパだから.....。」
一度その写真に振り向いて
また俺を見た。
「....ぅん。」
「智くんのことはお父さん..で....いいかなぁ...？」
「ママは？」
「お母さん......って呼びたいけど時々間違えちゃうかも。」
「間違いなんかじゃないさ。ママはママでいいと思うよ？」
「....うん。」
カノジョが眠りについて
２人で乾杯し直した。
「.......びっくりしたよ.....。」
「ずっと考えてたみたい。呼ぶタイミングを。」
「なんで急に？」
「急じゃないみたいだよ。ずっと呼びたかったんじゃないかな。」
「.......。」
「櫻井さんに’いいよ’って言ってもらうまで呼ばないって手紙に書いてたって。」
「翔くんに？」
「気にしてたんだね。大好きな櫻井さんに許してもらいたかったみたい。」
「智佳.......。」
その部屋へ視線を送った。
「この前あのドングリを見せて、’パパと智くんは同じだ’って話したら.....’智くんは
智佳のパパだね’って言ってくれて。」
....’パパ’って人を紹介されたって....そういうことだったのか。
「智くん、本当にありがとう。私すごく幸せです。」
「ううん、幸せにしてもらってるのは俺の方だよ。ありがとね。」
彼女の肩を抱き寄せた。
「ずっと一緒に.......。」
「ん.....。」
そして唇にそっとキスを落とす。
きっと楽しい未来が待ってるって信じてる.......。
〜終〜
終わり
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作者名：ちび
| 作成日時：2013年3月7日 16時
