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『痛い』
望「痛いちゃうやろ、なにイチャイチャしてんねん」
振り返ると卒業証書が入ってるであろう筒を持った望くんが不満そうに私を見下ろしていた。
『し、してないよ！！！』
望「うわ！焦ってるコイツ！図星やったんや！」
『普通に喋ってただけだし！』
望「ぜーんぶ見てましたけど？ボディタッチまで！」
そう不貞腐れる望くんの制服は第二ボタンどころか、腕のボタンまでしっかり無くなってたのを私は見逃さなかった。
まぁ、こんだけ後から来ればあるわけないよね。
さっきもきっと人だかりで大変だったんだろう。
望「A」
『なに？』
望「なんか怒ってんの？」
『別に』
望「いや怒ってるやん！何でお前が怒ってんねん〜」
流「望また怒らせたん？」
望「俺が悪いん！？」
わちゃわちゃしてる男子たちを横目に友達と写真を撮ったり、卒業アルバムにメッセージを書いたり。
そんな中望くんはどこにいても目立って女の子がチラチラ視線を移すのが目に入ってしまう。
望「ん？どした？」
『何もないよ』
自分で嫌な女。なんて思いながら静かに隣に立つと優しく微笑んでくれる望くん。
みんなの前だと言うのに肩に手を回されたりなんかしちゃって。
望「あ、そういえば」
ポケットから何かを取り出すと掌にあったのはボタン。
『え？なにこれ』
望「いや一応第2ボタンやねんけど」
『…私にくれるの？』
望「うん笑」
いらへんなら捨てるけど。なんて言うから咄嗟に奪いとると隣でフッと余裕そうな顔。
『捨てるなんてありえない！こんな貴重なもの！』
望「貴重て笑 その辺のボタンやん」
『自覚ないの？』
望「俺だけちゃうし、流星も神ちゃんも全部剥ぎ取られてたで」
『でも…』
望「もうええって俺はAしか好きちゃうねんから心配すんな」
帰ろ！と手が差し伸べられ強めに握り返すと応えてくれるようにギュッと力が込められる。
最後に2人で写真を撮って卒業式は終了。
2週間後には私の出発の日が待っていた。
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蒼乃碧(プロフ) - 初めまして。大ちゃんの登場にちょっと吹いたり、離れ離れが決まってるのでしんみりしたり…更新楽しみに待ってます^_^ (2022年9月23日 1時) (
レス) @page46 id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
てら - 更新して欲しいです (2022年7月22日 0時) (レス) @page44 id: cd11592684 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子 - 更新が24で止まってるんですけど…めっちゃ楽しみにしてます (2022年1月9日 20時) (レス) id: ba2cff1722 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ria | 作成日時：2021年9月30日 12時
