31 ページ31
.
『望くん…あの…』
望「A付き合お」
『え？』
抱きしめた手で私の頭をポンッと触れたあと、何事も無かったかのように再び座り込む望くんの目が潤んでたのを私は見逃さなかった。
『どういうこと…？』
望「どういうことって…そのままの意味しかないやろ笑」
『でも大学…』
望「俺バカやからじゃあ俺も行くわ！ってなる選択肢は無いねんけど福岡でも北海道でもどこでもええ。何年でも待ってるわ」
『まだ願書出してないからやめれるけど…』
望「アホか、怒るで？」
『本当にいいの？』
望「当たり前やん」
『あっちで就職したらどうするの？』
望「そ、そしたら俺も死ぬ気で仕事探す」
『そっか…』
望「おう、やから付き合ってや」
『…うん、ありがとうっ』
目に涙が溜まってる望くんと比じゃないぐらいボロボロと涙が溢れ出てくる私。
まさかそこまで言ってくれるなんて想像もしていなかった。
手を繋いで歩く帰り道、望くんとの距離が一段と近くて今までにないくらい緊張した。
『そういえばさ、共学って言ってたらどうしてたの？』
望くんが大学について聞いてきたのはその事だけ。
それがどうしても引っ掛かっていた。
望「どうしてたやろな〜行くなって言ったやろな〜笑」
『え！？』
望「嘘やって！まぁめちゃくちゃ心配はするけど」
『なんで？』
望「なんで？好きやからに決まってるやろ笑」
『大丈夫何も心配しなくて！私1人で学校も行けるし！』
望「いやそうやなくて…」
『ん？なに？』
望「…Aさ、天然？」
『違うよ〜』
望「先が思いやられるわ笑」
『なんでよ！笑』
笑いながらこんな風に一緒に歩けるのももしかしたらあと少しかもしれない。
自分で選んだ進路とはいえ、合格したら会えなくなるのが途端に寂しくなった。
私なんかでいいんだろうかと思う程かっこよくて、付き合ってても不安はずっと無くならないんだろうなあ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 356人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼乃碧(プロフ) - 初めまして。大ちゃんの登場にちょっと吹いたり、離れ離れが決まってるのでしんみりしたり…更新楽しみに待ってます^_^ (2022年9月23日 1時) (
レス) @page46 id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
てら - 更新して欲しいです (2022年7月22日 0時) (レス) @page44 id: cd11592684 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子 - 更新が24で止まってるんですけど…めっちゃ楽しみにしてます (2022年1月9日 20時) (レス) id: ba2cff1722 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ria | 作成日時：2021年9月30日 12時
