最低男

16 ページ16

.




『クリスマスだね〜』


「そうだね〜」




ハロウィンが終わると世間は一気にクリスマスムードに早変わり。

イルミネーションの下は幸せそうなカップル、家族で溢れかえっていた。



望くんはやっぱり女の子と過ごすんだろうな〜と考える私は未練タラタラだ。




そんなタイミングで、ノアに流星くんから着信が入った。





「あ、流星。出ていい？」


『うん、大丈夫だよ』




電話するノアの隣を歩いていると、どうやら今から遊ぼうとの誘いらしき会話。





「A？今一緒だけど。うん。聞いてみて連絡する」


『どうしたの？』


「流星と神ちゃんが遊ぼーって」


『そうなんだ』


「あ、あと望も」


『へ、へぇ〜』





期待してたような、いないことを願ってたような、なんとも中途半端な私。

しかしノアにはとっくに見透かされてたようで、早く仲直りしなよ。と隣から聞こえる。





「望の事好きなんでしょ？」


『い、いやいや！』


「恋愛したことないあんたの反応見てたら分かるよ〜」


『でも望くんはノアのこと…』


「はぁ〜？あんなのノリっていうかふざけっていうかそんな感じだよ！笑」


『…分かんないなぁ』


「とりあえず私の事はなーんにも気にしなくていいから！」






好きだからついて回ってたんだと思ってたけど、私が知らない男女の世界はどうやら奥深い。


一度振られた事を伝えれないままいいから行くよ！と腕を引っ張られ、来た道を戻り初めて会ったカラオケに着いてしまった。






流「久しぶり〜」


智「A！元気してたかー？」


『う、うん』






数ヶ月ぶりに会う望くんは茶髪でパーマがかかっていた。


あっちも気まずいのか目すら合いそうになく、意識的に1番遠い席に座る。






.

17→←15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す