海底に棲むきみ【迅悠一】 (ページ28)

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18日目ページ28

『あだｯ』

目を開ければ朝だった。
やけに窮屈な布団から身体を起こすと、上半身を少し起き上がらせて私を眺める迅の顔が見えた。

迅「何踏んだのかと思った。」

『踏んだの？』

なんで私迅の足の所に顔があるんだろう。
なんで私迅の股のとこで寝てたんだ。
そう思うも、昨日どうやって寝たのか思い出せない。

『とりあえずキスしたな』

迅「しっかり覚えててそれって凄いよね」

同意の上だから。と適当に返す。
迅も変な体制から起き上がり、人の布団の上で座っていた。

『とりあえずおはよ。』

迅「ふぁ……、ん…おはよ、A。」

眠たそうに欠伸をしてから、目を瞑る迅。

『てかさ、私なんで迅の股の所でおやすみしてたの。もしかして、人が寝てる間にやましい事した？』

迅「おまえの寝相が悪いんだろ！？」

流石に迅でもやましい事をした訳じゃ無さそうだ。
なんだー、と言いながらも段々と昨日の迅が視えてくる。

ぽすん、と迅の方へ倒れては彼の体が私を受け止める。

迅がする動作一つ一つ、存在自体が
彼が生きていることを実感させる。

『ねえ、もう1回キスしよ』

彼が生きているとわかるのなら、どんな手段でも構わなかった。

迅は何も言わず、私の瞳を見下ろして唇を押し付ける。
ソレは、数十秒間続いた。

昨日よりも長く感じた。

『ん … もし、私がなんかに感染してたら。迅も巻き添いだね』

迅「例えそれで死んでも恨まないでいてあげる」

彼は満足そうだった。

悠ちゃんは、私と血縁者になりたかったんじゃなくて

他人としての家族になりたかったのかな。なんて、
自惚れたことを考えた。

今日は嫌なくらい快晴だった。

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hit数の10分の8くらいは私自身だと思うのですが、星をつけてくださる方がいて嬉しいです。
最終話まで楽しんで頂けますように。