海底に棲むきみ【迅悠一】 (ページ22)

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13日目ページ22

『迅って女顔だと思わない？』

そう私が呟くと、周りから痛いほどの視線がこちらへ向いた。のを感じた。

小南「どうしたのよA……変なもの食べた…？？」

『マジの方で心配しないでよ小南』

烏丸「流石の俺でもビビりました」

『京介まで？？？』

さっきまで各自別のことをしていて相手のことなんて気にしていなかったのにコレだ。

私は持っていた携帯を机に置いて、2人の方へ身体を向ける。

『で。どうなのよ、京介は迅を抱ける？』

烏丸「内容変わってます」

しっかりツッコミを受けた私は満足気に笑った。

『ごめんって、んでね、迅が女顔だよねーって話。どう思う？』

私が再び内容を振ると、彼らはうーーん……と声を漏らす。
それだけ考えないといけない話なのか、と思った私はさっきまで本気で"迅は女顔だ"と思っていたのが恥ずかしくなってくる。

『あれ、違った？眼科行こうかな、』

小南「いや、違うわ。確かにイケメンというか、美人の類いよね。言いたいことは分かる。わかるけど、」

烏丸「女顔と言われれば違いますね」

そっかーーーー。とソファーの背に顎を乗せる。

この話、迅にしたらどんな顔するんだろう。

『この前ね、迅は両親のどっち似なんだろうねって話したの。自分でもわかんないってさ』

そう呟くと、洗い物を終えた京介がソファーに寄ってくる。

烏丸「ちなみにA先輩は？」

『迅にも同じこと聞かれた。答えは"分からん"』

小南「てか、Aと迅ってどことどこの血縁よ。わかんないの？」

『私らが聞きたいよーーーー』

本当になんなんだろうね、私ら。
そう言葉を零せば、小南と京介は2人で顔を合わせていた。

なんだよその会釈、私も入れろよ。そう思いながら彼らを眺めれば、"ま、気にする必要ないわ"と小南に言われる。

『あ。もしかしたら私、迅から産まれたのかも。』

烏丸「無理しか無いですソレ」

違ったみたい。