海底に棲むきみ【迅悠一】 (ページ19)

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11日目ページ19

『ごめん出水ぃ……』

本部で鉢合わせて初めて発した言葉がコレだ。

出水「いーって。元気になったんなら御の字じゃん？」

『お前実はモテるだろ…』

あの後、迅に運ばれ部屋でぐっすりと寝た私はすっかり元気になっていた。

レイジさんに鉄分を食べろと鉄分豊富な食材を使った料理を出され、迅にはちゃんと寝なさいと軽いお説教を喰らい。

私は彼らの言葉にコクコクと頷くことしか出来なかった。

『なんかねぇ、SEの調子が悪くてさ。寝れてなかったの』

発表は大丈夫だった？と出水に聞けば
おまえが居なくても余裕だったわとすまし顔で言われる。

こいつ実はモテるタイプだな。

出水「おれは何時でもモテモテで〜す」

『嘘つけ、センスゴミな癖に。』

まぁ、いくら彼がモテた所で私が彼のことを好きになることは無いだろう。
その逆も然りだが。

『出水と同じクラスでよかった。』

そう呟くと、彼は私を見て驚いたような顔をしていた。
そんな彼にん？と同じように見つめると、

出水「槍バカと2人っきりじゃなくておれも助かるわ」
といつも通りに笑う。

『でもなーーー今年も隠岐と同クラが良かった！！！去年は毎朝隠岐に"おはよ"って言って周りの女子に見せ付けてたのに！』

出水「とんでもない事してるじゃん」

『冗談ですけど』

去年は同じクラスの隠岐が居る生駒隊とかなり一緒に居たが、今年はなんだかんだ太刀川隊に入り浸っている気がする。

三輪隊は……私が玉狛だから行きづらい感じかな。

米屋は学校でも会えるし。

出水「んで？あの後迅さんとどうだったのよ」

『それが"迅"Aに聞くその後の聞き方か？もっとなんかあっただろーが』

出水「なんも言ってないじゃんおれ…」

その聞き方は確実に"あの後好きな人とどうなったの！？付き合った！？なんかしたー！？"って感じのアレだったじゃないか。

『なんとも。普通に帰って、布団に寝かせてくれたみたい。回復してからはちゃんと寝ろよって言われて、それ以降いつも通り会ってないかな』

出水「ある意味最悪のいつも通りだな」

『迅家族はそんなもんなんですよ』

出水は私の隣を歩く時、きっといつも歩幅を合わせてくれているんだと思う。

『いい彼女見つけろよ公平くん』

出水「何こわ」