紅に染まれば ( 桃×赤 )

. ページ43

＿＿＿＿赤side








何分待っても何分待っても

小瀧は来おへんくて…





一人 ｷﾞｨｷﾞｨと軋む

ブランコに揺られ揺られていた。





.







.





赤「やっぱ、迷惑…っ

やったん……か、な…」





.







それでも思い浮かぶのは

小瀧の笑顔で。




高校生の時

俺を幸せに包んでくれた、小瀧。






.





もう今は小瀧の奥さんのもんやけど。






.






赤「話聞くぐらいしてくれても

よかったんにな…」





もはやこうなれば

嫌いになってしまった方が楽や。



今やったら

小瀧の欠点なんて幾らでも言えそう。








.






.







ウザ絡みが多くて

甘えん坊で

泣き虫やし、

すぐ拗ねるし、

口悪いし、

朝弱いから起こしにいかなあかんし、

授業中とかも寝とったし、

その割にテストの点数は俺より上やし、

俺のナイスガイな

ファッションセンス馬鹿にしやがるし、

背高いからって俺と神ちゃん

見下してくるし…







.








ほら、

なんぼでも欠点なんて出てくるねん。







.






何個も何個も、

欠点だらけやんけ……





.







.




でも…

たとえそれでも…






.









赤「小瀧のこと…

忘れられへんわ……もう……」







.







砂に小さなシミがいくつもできて…

それとともに…



俺の視界が歪んでいった。





.




あぁ、今俺泣いてるんや。






もう手に入らへん、小瀧を想って。




.






どんな欠点があろうとも

それは俺からしたら

ただの愛おしいにしか繋がらへんくて。





.




所詮、俺は小瀧に溺れてるから。





.






.









赤「逢いたかった…なぁ…」









.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す