『紅葉』 ページ16
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「じゃ、行ってきます」
｢あ、AA！忘れ物｣
「あぁ、ありがとう笑」
｢気を付けて行ってらっしゃい笑｣
「行ってきまーす」
いつもは玄関を開けると2人がいるけど、今回誰もいないのが何だか新鮮。行き道とかは変わらないし、何ら変哲でも無いけども、恋人と行くって言うのがまた何だか新鮮な気持ちがして、変わらない風景なのに変わって見えるのはある種の幻覚作用かな。
休日と被ってか人も沢山いるしごった返しだけど、太志って比較しなくても分かる位大きいからすぐに分かる。これもある種の幻覚かな。あれだ、トリックアート。
なんか面白い
暫く見てても辺りを見渡す訳でもなく、ただ一文に｢何処にいる？｣って言うメールなら来た。これもこれで中々面白い。
「…わっ！」
小野寺「っ…笑ビビるー…」
「ふふw」
小野寺「めっちゃ笑うじゃん笑」
「何か面白かったよ。
太志が大きいから直ぐにわかった」
小野寺「到着してたならメールくれませんかね」
「ごめんね、遠くから眺めてても面白かった笑」
小野寺「面白がらないでくださーい」
「ふふ笑」
小野寺「はい、笑」
「ふふ笑」
小野寺「Aちゃん小さいからハグれそう」
「大丈夫だよ。太志が大きいから直ぐに分かる」
小野寺「俺が逆に見つけにくい笑」
「そうだね笑
じゃあ見つけやすい様に手を繋いでてあげる」
小野寺「…ふふ笑手繋いでたら大丈夫だから笑」
「ふふ笑」
ふふ笑時々枝に引っ掛かりそうになってて面白い。目の前辺りでちょっとビクッて体揺らして反応が何気に猫みたいで可愛い。
出店も間隔毎に色々あって、お昼時でもあるから少し小腹を空かせた人達が飲食店に並んでいるから通りにくいけど、これもこれでお祭りの醍醐味だなって思う。それでも、人が多くなると太志の手がキュッと離れない様に強くなったり、人が少ないと少し緩む力加減の差があって、そんな気遣いに胸が擽ったい。
それに時々目が合う所とか
初めのうちは目が合えば笑ってたりしてたけど、時々目が合うと耳元で｢大丈夫？｣って言ってくる。彼なりの優しさが身に染みて感じるけど、凄く擽ったい。
小野寺「大丈夫？酔ってない？」
「うん、平気っ…笑」
小野寺「どうしたの？」
「ふふっ笑あのね、太志が耳元で話しかけるから
凄く擽ったくて笑えてくる笑
わっ、ねぇ笑」
小野寺「笑」
「擽ったいんだってば笑」
小野寺「可愛い笑」
「っふふ笑」
#擽ったい思い出の保管
(お弁当作ってきた)
(おぉー！綺麗)
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作者名：LuV | 作成日時：2021年11月6日 18時
