ホエールテール 4 (ページ16)

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鯨16 ページ16

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石川「あれ、ミアだ」

ﾐｱ｢へ？あ、石川さんだ｣

まさかまさかのここにいるとは思いもしなかった双子の片割れ。いや、日本にいるのは知ってるけどトレセンにいるのは吃驚。スポーツ科学部の医学コースって言ってたっけ。双子揃って頭いいのって、ある意味凄い。

石川「何中？」

ﾐｱ｢研修中です。
色んなデータを元に勉強させて頂いてます笑｣

石川「どうぞどうぞ笑
時間あるならAんとこ来る？」

ﾐｱ｢んー、今はやめときます笑｣

石川「珍しい」

ﾐｱ｢今Aの所に行くと、何かと怖いので笑｣

"邪魔はできません"と言って苦笑いするミアに、思い当たる節がないから頭を傾げるしか出来ない。Aが何かにイライラする所を見た事がないから、何が怖いかなんてのも、長年の付き合いがあるけど、それを聞いて未だに知らない事ってあるんだな。

それにしても、何が怖いか？今は休憩中で、これから各々の筋トレをしたりするだろうけど、怖い所は特になかった気がする…。

石川「もしかして今イライラしてる？」

ﾐｱ｢原因私なので笑｣

石川「マジか笑でも変わらなく無い？」

ﾐｱ｢私にとっては大きな変化ですけど、
石川さん達にとっては、小さな見難い変化ですかね笑｣

悩みに悩んで、1人で解決するタイプで

だけど、必ず父が側にいて助けてくれる

そんな父に、小さい頃は嫉妬ばかりしてたけど笑

そうやって、話しながら歩いて行き着いた先の、大きな重たいドアを開けてやれば、疎らに休憩をしてるチームメイトを他所にして、自分の手で数回上げては、大きく手のひらに当ててスパイクを打つ。

滴る汗も、伝っていくのも、それが服に染み込んで行くのも気にしていないかの様に。

ただ只管にボールを上げては打つを繰り返すAに、ミアが隣で大きな声で呼びかけた所でハッとした。

ﾐｱ｢Aっ！！笑｣

石川「あれがイラついてるA？笑」

ﾐｱ｢んー、ふふ笑少しは納まってるけど、
不貞腐れてるかな笑納得いって無さすぎて笑｣

石川「あはっ笑子どもかっ笑」

「ミアの事が一瞬でも嫌いになった」

ﾐｱ｢役に立つ情報でしょ？自分の事だからね笑｣

「鬼じゃん」

ﾐｱ｢ふふふーん笑｣

そんな2人を、周りのチームメイトが見てるけど、ミアの事を知ってる人達が多いからこそ、二人の仲の良さそうな会話に笑ってたりしてる。

その中で、西田有志だけが吃驚してる顔をしていた

西田「彼女！」

「双子の妹です」

西田「マジか！」

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