ホエールテール 4 (ページ15)

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鯨15 ページ15

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休憩の狭間、入学と伴ってバレー部に入部して早くもできた友人が、海外の大舞台で代表を背負って戦ってる勇姿をテレビで見届ける。スターティングメンバーでは無いにしろ、名の知れた選手にトスを上げる姿は、いつ見ても凄いと思う。

2mの高身長なAは、ミドルブロッカーではない。高身長なセッター。それでも変わらず後方に回っても、その高い身長を屈めて難なくボールを拾う。

凄いなぁ…

なんて、思っていれば、近くで女性の声が響いて、思わずそっちに目を向ければ、俺の他にもその場にいた殆どの人達がそっちを見ていた。

スポーツ医科学コースの鯨伏愛さん。Aの双子の妹さんで、1年生にして早くも研修に呼ばれたのを、つい最近人が話してるのを聞いた事がある。凄いなぁって思ってたけど、人によっては感じ取られ方が違う人だっている。

でも流石に、友人の双子の妹さんだし、ね

大塚「あーっと、…鯨伏さん！ちょっといいかな、」

ﾐｱ｢あ、はい！すみません、失礼します｣

聞こえてきた舌打ちをして去っていくのを見届けたけど、傍から見ても感じ悪いのは感じ取られる。

大方、研修に選ばれなかった腹いせなんだろうけど…

同じスポーツ科学部だし、それなりに関わりはあるからこそ、鯨伏さんの勉強熱心さはよく分かる。色んなスポーツ系の部活に顔を出してたり、教授に分からない所聞いてたりしてるし。

ﾐｱ｢あの、？｣

大塚「あ、ごめん」

ﾐｱ｢ふふ笑いえいえ｣

大塚「そう言えば研修って何処に行くの？」

ﾐｱ｢味の素ナショナルトレーニングセンター｣

大塚「あー、それは羨ましい」

ﾐｱ｢ふふ笑皆それ言うけど、ただ勉強しに行くだけよ？笑
選手の人と話すよりデータと話してるものだし｣

大塚「あはっ笑データと話すね笑

あ、そう言えば試合見た？」

ﾐｱ｢見た見た笑だからテレビで見て分かる分のデータを
Aに送り付けてやる予定笑｣

大塚「こーわっ笑」

仲がいいなぁ

そう言えば、同じ学部だからか、伝言してたのを思い出す。あれがあそこにーとか、あれ買っておいてーとか。そして最後は決まって"ミアに伝えておいてー"って言われる。

それを伝えれば、今度は鯨伏さんからも伝言を貰うから、伝書鳩にでもなった気分。

大塚「A凄いね」

ﾐｱ｢Aはイタリアにいる頃から凄いよ｣

大塚「言えてる」

ﾐｱ｢日本に名が知れる前から知ってるから｣

大塚「何それ、マウント？笑」

ﾐｱ｢家族だもん笑｣

大塚「うわー笑」

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