夢女子、推しに捕まる【梵天】

地獄の音読大会 ページ6

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「ねー竜胆見ろよこれ。《兄貴、俺の女だ。手ぇ出すな。こいつはずっと俺から離れられ━━━━━

『うあああああああああああぁぁぁ！！読むなああああああああああぁぁぁ！！』




前席に乗り出すお兄さん、灰谷蘭に殴り掛かるが片手でひょいと抑えられただの暴れ回る女になった



右のピンク髪さんに耳を塞いで舌打ちされる



いやごめんなさいねうるさくして！でもこれが落ち着いていられるかよ！！





『待って待って、ちょっと落ち着いてください』

「うん、お前がな？」

『え、梵天？幹部？とりあえず貴方様は灰谷蘭様で間違いないんですか？？』



「そう。お前が一夜を共にしたい蘭ちゃん」


『………』






マジで私なんでさっき気が付かなかったんだろう


いやこの人もこの人だ。よくのうのうと自分の手配書の前うろつけたな



そんで余計なことバラされる始末



「てめぇら知り合いじゃねーのかよ誰だよコイツ」




声のした方を向けばピンク髪のお兄さん


暗い中よーく目を凝らすと口元に特徴的な傷があった






『三途春千夜………れったんの推し…………』

「………あ？」





自分のことは棚に上げて堂々と名前を呼んでしまった


「あ、ちなみに三途は暴行魔で主人公が蘭ちゃんに浮気されまくってむしゃくしゃした時にセッ━━━

『ぬわあああああぁぁぁ！！読むなああああああああああぁぁぁ！！！』




何度襲いかかろうが奪い返せないスマホ

死守してきた下書きを本人に音読される恥

必死になりすぎて体勢崩してその胸にダイブした






『ぐすんっ…………いい匂いっ…………』



何だこの匂い、天使か

最悪な状況にいながらも推しの匂いかげてるとかいう最高の状況を掛け合わせないで貰っていい？


素直に興奮できないから




「うわー、どさくさに紛れてセクハラとかえっちだな」



えっちという言葉を発する貴方がえっちです。




『事故なんで許してくださいっ……ぐすっ………』





幸せと焦りと悲しみと怒りでもう何が何だかわからん


生蘭ちゃんの胸あったけ〜
嫌な思いも吹っ飛ぶわ〜





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