夢女子、推しに捕まる【梵天】

どっちを選ぶの？ ページ18

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「焦った、竜胆がそんなに手ェ早い男に成長したのかって」

「だから違うって」

「昔っから奥手だもんな。だからこそ感動したんだけど」

「兄ちゃんウザイ」

『あのですね、私が竜胆さんを怒らせてしまっただけで……』

「怒る=押し倒すなの？変わっちまったな竜胆も」

「あ？」




あ、やべ。なんかどんどん悪い方に解釈されてるような…



『と、とにかく！蘭さんと竜胆さんのおかげでいい作品になりそうです！今日はありがとうございました！』

「んー、全然いいよ暇だったし」

「俺は何もしてない」


じゃ、そろっと帰るか〜と言って立ち上がるお2人


そのままドアの方へ歩いていくと思いきや




「で？」


『はい？』




向かってきたのは私の元

スタイルおばけに囲まれて困惑の図が完成




「「結局どっちを選ぶの？」」





…これ、乙女ゲーか？



夢主がってことだよね？

やめてその言い方なんか私が言われてるみたいでキュンキュンするぅ！！




『竜胆さんにします……！』



きゃっ……旦那決定っ……！



「あちゃー」

「兄貴振られんのかよ」


夢主強奪エンドを希望するりんちゃんは腑に落ちないようです



『いや、話は変えようかと』



さっきまとめたあらすじを見せようと、パソコンを開いた



『夢主は竜胆さんの希望通り、一旦蘭に攫わせます！』

「竜胆お前どういう希望だしてんの？」

「いや、ちがっ……」

『その後夢主は蘭にオチそうになる所を竜胆が奪い返しに！初めて見せた余裕のない竜胆の素振りに愛しさを再確認して最終的には蘭を振ります！で、和解！ハッピーエンド！』



勢い良く喋り終え、ドヤ顔かます


「……なんかもうめちゃくちゃだな」

「揺れ動きすぎじゃね？クソびっちじゃん」

『失礼な！夢小説は揺れてなんぼ！最後までオチが読めないドキドキ展開でなんぼです！』




へ〜、と同じリアクションをされる

んー、まだ腑に落ちないのかな？でも私的には最高のエンドだけど



「まぁメガトマト先生の文才なら綺麗にまとまるだろうし心配とかしてないわ」

「あぁ、そうだな」

『蘭さん…竜胆さん……！！』




やった、認めて貰えたのかな？

嬉しすぎる、ニヤけちゃう



「完成したら読むね〜2人で」

『気まずくなるのでオススメしませーん！』



ばいばーいと手を振る蘭ちゃんに振り返す

りんちゃんは先にある行ってったけど満更でもない表情だったのでよかった

灰谷兄弟、仲良くやっていけそうだぁ……！

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