厄介ファンに変わりはない！【三途春千夜】

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あんたそれ間違えてるよ




私は今、スーパーアイドル明道Aだよ






なんて伝えたらいいんだろう





分からなくなって








『さんずうぅぅ…………』







スタンガン片手に佇む犯罪者に、弱々しく抱きついた



思いのままに体が動いた








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『私もう疲れたよ……………』






疲れた、全部




お金稼ぐのも疲れた

アイドルやるのも疲れた

自分を偽るのも疲れた



あんたに会うのも疲れたよ









私の夢のせいで








『…………もっと普通に生きればよかった』







高望みしなきゃ良かった


アイドルなんて、ならなくてよかった


普通に学校行って、就職して、結婚して、死んでいければよかった







そしたらこいつとも出会わなくてよかったのに






『もう辞めたい』






また涙


もう泣くのもいっぱいだし、飽きたよ、疲れたよ




三途の肩に顔を埋めて誤魔化した





何か言ってよ






「俺降りたわ」





『…………え？』








.







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「明道Aのファン、降りた」







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そいつの口から出たのは信じられない言葉で






『は？』





思わず顔を離す









「みょんたんはもう居ないからな。さっきのは偽物だったらしい」

『何言ってんの』

「みょんたんはあんなことしねーの。短気なお前と違って」





マジで何言ってんの







「もう辞めようぜ、ままごと」







もう一度、強く抱きしめられた


それってなんのハグ？








『始めたのそっちだよね？』


「うるせ」









馬鹿らしい





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アイドルの明道Aだって


厄介ファンのピンク髪だって





お互いに分かってたはずなのに







"みょんたん" "ちよちよ"







"楠原" "三途"








まったく、私達は何をやっていたんだろうね







『……………好き』






顔を見ないで言うのは、案外容易い事だった



素直になれば上手くいくようなこと、ずっと逃し続けてたのかもしれない








『ヤバいよね私、あんたに惚れるとか』



「元からヤバいから気にすんなよ」





は？なにそれ


そう言おうとした口は乱暴に塞がれた






「俺も好きだから」

『……みょんたんが？』

「楠原Aが」





レースの衣装はぐしゃぐしゃになるほど抱きしめられて



リップが取れちゃうほど唇を重ねた









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