厄介ファンに変わりはない！【三途春千夜】

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「後ろ」







これってホラーゲーム？



オカルト映画？






主人公がゆっくりと振り返ると、なんかしらの化け物がいて、食われるやつね









ゆっくりと振り返ると私の後ろにもしっかり化け物が立ってた




ピンク髪は染め直したのかいつもより綺麗だ





不思議だったのが、いつものオタクコーデじゃなくて、普段の私と会う時のようなスーツ姿だったこと






でも私は、まだ衣装を着てた




まだ明道Aのままだった






これはまさにまずい状況ってやつで


こいつと会う時は何らかのハプニングが怒るのでもう慣れたっちゃ慣れたんだけど


こいつの目に映る私はまだみょたんたんのままだから





『ここ立ち入り禁止なんですけど………』






早急にスマホを隠して何事もないふりをした


どうやって入ったんだよ


つか、来てたのかよ






発狂覚悟だったけど全く動揺してる様子は感じられなかった



それどころか、ズカズカと距離を詰めてきて



左手にスタンガン持ってるのが目に入った







え？殺られる？






後退りし始めるのも遅くて


何も無くなった右手首をガシッと掴まれる






あの時みたいな馬鹿力






『きゃっ……あのっ……！警備員呼びますよ！！』






ん？ひょっとして警備員殺ったのか？


なに、ライブ止めたから怒ってんのかな


みょんたん相手にブチギレるほど、怒り狂ってんのかな





「うるせぇどブスが」


『はっ？』





どブス…………？



私が？


明道Aが？







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「勝手に病んでんじゃねーよ」




荒々しい口調でそう言われた

右手が痛い






『ち、ちよちよ？』





お決まりの呼び方をしたのに




「キモイ呼び方すんな」







否定されて









『んん？』








「楠原A」








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名前を呼ばれて






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「泣けよいつもみたいに」








私に、楠原Aに喋ってるんだって分かった







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『さんず……………？』







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