8号、ココさんに"もっと"愛されたい

47 ページ9

『えぇっ？？？』





.







.






ココさんの元で働いて早５年





初めて名前を呼ばれた





たったそれだけで私のクレバーな頭は働かなくなる






…………え、死ぬんだけど



…………尊死( ´ཫ`)







ボーッとこっちを見てるココさんは私の間抜けな声を聞いてハッとなる







.








「………なんて、な」









.









え、誤魔化しココたん尊………






「あ、温めくらい自分でや……」
『ココさんだああああああああああい好きぃいいいぃぃぃぃィィ！！！！』







椅子から立ち上がりかけたココさんにタックルして椅子ごと後ろに倒してしまう



ガタン、と床と椅子がぶつかり合う音が響いた



無抵抗ココさんに覆いかぶさったままギューッと抱きしめる







『好き、大好き、本当に愛してる。ぺろぺろしたい』






あ、最後の一言余計だったかもしれぬ





でもこの感情を発散させないと私死んでしまうわ








「…………気色悪い」







.







.







あひょ、いつものツンツンココさんだ


だが尊い








「…………腹減った」







寂しそうにそういうもんだから欲求抑えて体を起こした



椅子の上で倒れてるココさんの目は、はっきり私を捉えてる



薬も飲んでない




私を見てた







『あっため直しますね！！！』





スキップして流しに向かうと揺れでスープが零れちゃった



もう嬉しすぎて、空飛べる ※名前呼ばれただけです。








作った料理諸々チンしてココさんの向かいに座る

「いただきます」と言って黙々モグモグ食べてる姿を飽きもせずにずっと見つめていた






━━━━━━━━━━━



深夜2時を回る頃


食後にソファでくつろいでるココさんを横目に後片付けを済ませる




タオルで手を拭いてると、「なぁ、早くこっち来て」と、ココさんの声がした







は？



なに？


急なデレの畳み掛けで怖いんですけど






『やっほおおおい！』




タオルを投げ捨ててココさんの座るソファにダイブすると「寝そべれとは言ってねぇ」と言って頭をはたかれた




いったああい


そこの力加減は変わらないのね









.

48→←46 〈九井side〉

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す