8号、ココさんに"もっと"愛されたい

57 〈九〉 ページ19

「チッ、ウチの会社は学童かよ……」





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結局会議真っ只中で離脱して家まで帰ってきてしまった




帰ってきた、いや、逃げてきたってとこか




そもそも真面目に仕事の話をしねえのがいけねーんだ

話し合う事がないなら会議なんてやらなくていいだろ

ムキになっちまう俺も俺だけど








リビングの電気をつけてテーブルにコンビニの弁当が入ったビニール袋を置く







戸棚からウイスキーを取り出して立ったまま瓶に口をつける




気がおかしくなった時は、クスリを飲むのが1番だけど、ないから酒に頼るしかない




少しだけ我慢してみようと思ったけれど、クスリは結局宅配で頼んでしまった



どっかの誰かが、いきなり全部盗んでいくのが悪いんだ







酔いはすぐに回って、熱い体を引きずりながらテーブルに着席する






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あー、なんかもう、何もかも嫌になってくる






あの日から随分汚くなった部屋をボーッと見渡しながら、いつの間にか座ったまま一眠りしていた







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ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ






ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ







ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ








「………うるさ」






だいぶしつこいインターホンに起こされる





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時計を見ると、もう夜だった






宅配、クスリだ





立ち上がると目眩がしてよろける





壁に手をついて、無駄に長い廊下をゆっくりと歩いていった







「…………どうも」






届いたのはだいぶ大きめのダンボール


三途からクスリを貰っていた時は紙袋で渡されていたから、こんなデカいダンボールでくると思わなかった




「うわっ」


配達員から箱を受け取ると、想像以上の重さで落としそうになる





なんだよ、どんだけ量入ってんだよ


ひょっとして、配達会社にバレないように、別の商品に混じってるのかも








配達員が出ていって、ドアが閉められると、急にクスリを飲みたい欲が湧いてきて、たまらず玄関でダンボールを開けてしまう






ガムテープが、何回か張り替えられたような跡があり、不自然に思ったけど、クスリが入ってるのなら細かい事はどうでもいい





適当にテープを剥がして、蓋を開ける








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「………………ない」









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1番上に積まれていたのは、りんごやみかんなどの果物


もう少し掘り出していくと、野菜や、米などがぎっしりと詰められている






クスリは、どこにも入ってなかった

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