厄介ファンだと思ってた！【三途春千夜】

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『わあお』




ヤツの部屋の中は気持ち悪いくらい私一色だった


今の私は、どういう態度でいるべきなんだろう…って考えてたこと一気にどうでも良くなっちゃうくらい





『すげぇ……限定品がこれでもかと……』

「フッ……俺の強オタ振りを舐めんなよ？」



ドヤ顔うざ

ブチ切れて催涙スプレーぶっかけられるよりはマシか

しかしまあ至る所に私の顔が並べられており気持ち悪いったらありゃしない

ちなみに中にはかけっぱなしの明道Aソロ曲が爆音で流れてる



『強オタなのは分かったけど、せめて自宅に置けば……？』



どんな態度で接するべきか分からないと言うことでこの際だから素でタメ語で話してみる

私も一応こいつの弱みを握ってるって事だもんね！立場同等！！良かった！



「自宅なんてただの睡眠部屋だ。仕事してる時にみょんたんを拝めるのが至福のひとときなんだよ……」



我を忘れて語り始める梵天のNo.2さん

拝むというか、バカ騒ぎしてらっしゃったけど



『……そういえば、九井くんに教えて貰ってここに来たけど、事務所であんたのこと見かけるの初めて』




1年間月一で通ってる梵天のアジト



まぁ、いつも九井くんの部屋に寄って腹を括った後、マイキーにお金を渡して近況報告してサッと帰るだけだけど


そしてたまーに幹部と名乗る男数名に絡まれるが適当に返事して逃げてる

でも1度もこいつを見た事はなかった




「俺は"営業マン"だからな」




営業マン………意味深………



出張殺人、出張拷問に励んでる。という解釈でおけ？





『……私がお金納入してること知ってたの？』

「あぁ、マイキーが拾った女だって聞いてる」



……うーん、？


謎が深まるばかりなんだけど


そのマイキーが拾った女がたまたま自分の推してたアイドル、私だったってことだよね？

この前路地裏で会った時に初めて私の闇を見たみたいな反応してたけど

元々全部知ってたの？その上での現実逃避なの？






「………こっち見んなブス」





あね、こいつ完全に私を別人として扱ってるから聞くに聞けねーわ



ブスでは無いだろ部屋中に転がってる顔面と全く同じだよよく見ろや




『………あんたさぁ、私の…、、明道Aのどこがいいの？』


あっぶね、私のって言っちゃった



ガチャガチャと流れてる爆音が、突然ブチッと切られた





「お前、みょんたんの良さを知らねぇのか？」




なんて、深刻な顔で言ってくるもんだから慄いちゃうよね

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