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第7話―理由 ページ9

首領の執務室にて…


「エリスちゃぁぁぁぁん!!お願いだよぅ!

ちょっとだけ!5秒でいいから!」

「嫌よ!リンタロウの必死さが気持ち悪い!」

「そんなぁぁ…エリスちゃぁん…」


何を見せられているのだろう・・・


「首領…そろそろ善いでしょうか?」

痺れを切らして声を掛けると、

今やっと気付いたかのように私達を見る。


部屋は暗転し、灯りが点いた頃には


私達の目の前には"首領"がいた。

「太宰くん、中原くん。任務御疲れ様だったね」

「はい。その任務について、御報告が…」

中也が報告してくれるそうだから、

私は楽だねぇ…帰っていい?

「太宰くん、後で話があるから、君はここに残ってくれ給え」

チッ…

顔には出さないように心で舌打ちをし、了承した。

「それで、どうだった?」

「それが、標的(ターゲット)は無事始末することが出来たのですが・・・

それを一般人の子供に目撃されました」

そんな報告をすると、「子供…?」と首領は頸(クビ)を傾げた。

スッと目を細めたのを合図に、

私と首領の口論が始まる。

「齢(こよみ)は?」

「教える必要性がありませんね。兎に角子供です」

「ふむ…その反応は君達以下…充分」

「駄目ですよ、首領。親がいます」

「いや、でもその親を亡き者にすれば…」

「首領」

強めに呼びかければ「冗談だよ」と

軽く微笑んだ。

冗談に聞こえなかったから反論したのだ。

「それで、その子は?」

「えっと・・・」

中也が口篭り、代わりに私が説明する羽目になった。

「頭部を刺激し、気絶させた後逃がしました」

案の定、目を見開き驚いてみせた。

その後、笑みを深めて再び問うた。

「何故?」

「殺す必要はないと判断したからです。

酷く脅せば、ショックで記憶が飛び、

他人に情報を漏れるのを防ぐことができる。

そう踏んだからです。…他の理由も聞きますか?」

「ふふ…そうだねェ…記憶が飛ぶという確信はどこから?」

「・・・子供、という点です」

「ふむ……成程」

いや、この人はまだ聞きたそうだ。

けれど、説明している時間が勿体ない。

たかが"クラスメイト"に時間を取られるなんて

御免だからね。

「分かって頂けましたか。

それでは失礼します」

あァ、そう言えば話があるとか云っていたような…

まあいいか。どうせ下らないことだ。

第8話―学校生活→←第6話―とある組織の



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入浴(プロフ) - ゼロさん» わあ!ありがとうございます!!そう言ってもらえるととても嬉しいです! (2018年2月10日 22時) (レス) id: d6f7c6ac49 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 面白いです。 (2018年2月10日 22時) (レス) id: 598748d846 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:入浴 | 作成日時:2018年2月4日 1時

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