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第16話―可能性 ページ18

「太宰、前に手前は自分が担当しているクラスの中にいると予想したな」

「したねぇ…それが何?」

「理由を教えろ。

何で自分のクラスの中にいると思ったんだ」

ああ、面倒臭いなぁ。

その意味を込めて溜息を吐き、仕方なく口を開いた。

「よく考えてご覧よ。

どんな異能か判らない幼い異能者を探る為に、

最適だった私達が選ばれた。

それは善いとして、異能力が不明なのだよ?

何が起こるか判らないのに、わざわざ私達を分けたのは?」

「んなもん、クラスの人数が…」

「違うよ」と、言葉を遮り否定した。

中也は眉を潜め、目を鋭くさせて私をじっと見た。

「私が『異能力を無効化する異能力』を持っている、

反異能力者だからだ。

中也が隣のクラスなのは、他にもいないか偵察させるためだ」

「事実、2組の方が2人少ないだろう?」と付け加えると、納得したように目を見開いた。

「私が居る限り、その異能者が暴走しても止められる。

これが理由だよ」

「って事は、もう首領は異能力者が誰か知ってるって事か!?」

「そういう事になるね」

肯定すると、中也はその場にしゃがみ込み、

「マジかよ…」と嘆いた。

これで、中也の中にまた疑問が湧いた筈だ。

「知ってんのに、何で態々(わざわざ)俺達を潜入させたんだ?」

ほらね。予想通りだ。

まァ疑問に思うのは不思議ではないだろう。

「それは私でもはっきりとは云いきれない。

けれど、仮説を立てるとすると…」


心の育成。


私にはそうとしか考えが付かない。

「……学校に通っても通ってなくても、

芽生える感情とかは変わらねぇだろ…?」

「首領が何考えてんのか、いまいち判んねぇ…」と、また嘆き出した。

暫くすると、また顔を上げ、何か云いたげに私を見つめてきた。

「何?君に見つめられると吐き気がしてくる」

「うっせぇ!!手前は毎回一言多いんだよ!!」

今度は何を聞いてくる心算なのだろう。

説明するのも疲れるのだけど…勘弁してくれないかな?

「なァ太宰、俺はまだ納得した訳じゃねぇ。

あれからまた考えたんだけどよ…」

中也の云う"あれから"とは何処からだろうか。

「あの子供を始末して、どんな面倒事になったんだよ。

学校は特に騒ぎにならねぇだろ?」



「……………………………は?」



大分引き摺っている。

そんなに彼の娘を始末したかったのだろうか。

いや、それより…

「中也、真逆…気付いて無いのかい?」

思わずそんな言葉が出てしまった。

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入浴(プロフ) - ゼロさん» わあ!ありがとうございます!!そう言ってもらえるととても嬉しいです! (2018年2月10日 22時) (レス) id: d6f7c6ac49 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 面白いです。 (2018年2月10日 22時) (レス) id: 598748d846 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:入浴 | 作成日時:2018年2月4日 1時

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