入園希望ですか？ (ページ5)

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王様じゃんけんページ5

時は少し進み、今は先程の王様じゃんけんで勝った子達のグループに付き添っていた。

現状説明より先に、この保育園の特殊な育児方法を説明しておく必要がある。

この白尾学園付属幼稚園は、少人数で手厚い保育という所に注力している。
というのも、1クラス12～15人で且つその中にまた4〜6人のグループが存在する。

普通なら1クラスに1、2名の保育士が所属しておりクラス単位で活動する。しかし、この幼稚園はクラスの中にさらにグループがあり、且つそのグループ1つずつに職員が付き添い、グループ単位で活動をしている。
ちなみに、年齢が上がる毎にクラス替えとグループ分けが行われる。

朝の紹介の時に明らかに最大数の15人よりも多かったような気がしたが、それは他クラスの子が混じっていたかららしい。
全ての部屋が壁を動かして部屋の広さを変えられるタイプのようで、朝の会は数クラス分の人数を一気に集めて行っているそうだ。

さてその朝の会の後、突如始まった王様じゃんけん。反射的に声の方を振り向くと、右目が隠れるくらいの明るい髪色の男の子が元気よく｢…ぽんっ！！｣と手を突き出す。

その子は子供用の机の上に乗っかって、全身を大袈裟に動かしてじゃんけんをしていた。
子供用とはいえ流石に危ないと、すぐ気づいた安藤がすかさずその子を抱え上げ、『危ないからやめなさい！！』と注意する。
彼の胸に付けられた名札が風で揺れ動く。そこには｢ぺいんと｣という名前が書かれていた。