調査ってこんなに楽しいものでしたっけ

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会社の社長として他のライバーよりもここへ足を運ぶ回数は多いはずで、社員さんとの面識もそれなりに。しかし彼女は今まで見たことがない

『あーはい、そうなんですよ。』

「やはりそうでしたか。」

自分の問いかけに少し眉を下げながらも笑顔でそうこたえる女性。

　会議に切りがつき休憩を挟もうと、部屋を出て休んでいると見えた1人の後ろ姿。
　髪が短くロングカーディガンを羽織っているからか体のラインも分からず遠目からは性別を判断できなかったが、こうして近くで話せば綺麗な顔立ちや仕草で女性だとわかる。

「どこの部署に行きたいんでしょう？
　私でよければ案内しますよ。」

だいぶ長いこと同じ場所でキョロキョロしてましたから、時間的に余裕はあるのでしょう。


『いえ、お時間をとらせるわけには。』

「私の方はお気になさらず、
　仕事も区切りがついたところですから。」



『あー、部署とかではなくてですね‥その‥‥』

「?」



『‥エレベーターの場所、ですね、』



「‥‥それは」

…本当に社員さんなのだろうか。
確かに〈社員〉だと断定的なことを言ったのは私だ。
しかし社内に入れているということは受付を通っている訳ですから、怪しい人物ではないんでしょうし…




prrr…

静かな空間に響く電子音。
聞くからに私のではない、第一いまはマナーモードにしているはずだ

「携帯、でていただいて大丈夫ですよ？
　私のことはお気になさらず。」



『すみません、では失礼して‥‥‥っ！！』



そう言ってスマホを耳にあてた途端、肩をびくっと揺らし離す。
そして続けられた言葉に少しの違和感が生じた。



『‥‥っ夜原さん、声のボリュームが少し、大きすぎます…』

‥‥？今、

「夜原さんとおっしゃいましたか？」

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