調査ってこんなに楽しいものでしたっけ

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思っていた以上にすんなりと代わってもらったのが驚きだが、落とさないように両手で携帯を受け取り耳に当てる。これ、だいぶ前の機種だな…


〈…もしもし？もしもし！Aさん！誰かと一緒なんですかー？〉

「すみません、電話を代わらせてもらいました。加賀美ハヤトです。」

〈え、加賀美さんですか…？？〉


　そりゃあ脈略もなく違う人間が電話に出たら驚きますよね。そしてやはりA、という名前は聞いたことがない。もっとも社員さん全員の名前を覚えているわけではないが


〈そういえば今日は会議でうちにいらしゃってましたね、ですがどうして…？〉

「少し夜原さんにお聞きしたいことがありまして。失礼とは思いつつ、かわっていただきました。すぐに終わるのでよろしいでしょうか。」

〈はい、構いませんが…〉

「ありがとうございます、では単刀直入に。彼女は、Aさんはここの社員さんですか。」



　後ろからピシリと音がした気が…？



〈Aさんですか？Aさんは加賀美さんと同じくライバーさんですよ。昨日、初配信をした新人さんです。〉


…あーなるほど、


〈私が新しくマネージメントをすることになった人ですね。〉

「そうでしたか、わかりました。忙しい中ありがとうございます。」

〈あぁ！ちょっと待ってください。加賀美さん、いまAさんとご一緒ですよね？どこにいらっしゃいますか？道案内をしなきゃいけなくって。〉

「それなら私が引き受けますよ。仕事にキリがついた所でして、外の空気も吸いたいですから。」

〈いいんですか？それは助かります！ありが
とうございます。〉

「いいえ、それでは失礼いたします。」


…、普通に切ってしまったがこれ人の携帯でした。

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