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「ケホケホ…あれ、咳…？」
暑苦しさで目を覚ます。起きた途端、空咳が部屋を響かせる。寝る前までは何ともなかったのにな…喉も痛い気がするし何より体がだるい。
「体温計どこだったっけなー」
一人暮らしを始めて長いこと経つけど医療品関係はほぼ使っていない。体が丈夫なのが何よりも取り柄だから。馬鹿はなんとか……では無いハズ。…多分。
ピピピ……
「わ…38.5度もある…道理で暑い…うん？寒くなってきたかな…とりあえず目覚ましなるまで寝ておこ…起きたら彩加ちゃんに電話しよ…」
明確に「発熱してます！」と数字で叩きつけられると、今まで感じなかったのに一気に寒さが襲う。病は気からってやつですな…
体温計とともに取りだした薬の使用期限を確認する。しっかり使えることを確認し、薬を飲み再び眠りについた。
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薬のおかげで37.5度。微熱になるまでは下がったものの、体のだるさと発熱時特有の節々の痛さは健在だ。
薬を飲みたいけどそういえばお昼を食べていない。時間を確認しようとスマホを探す。画面を開くと時計より先に彩加ちゃんからのLINEが目についた。
彩加ちゃんAちゃん大丈夫?仕事終わったらすぐお見舞い行くからね!
届いているのは2時間前。すっかり寝込んでいて気付かなかった。その後時計を見てみるとなんと時間は18時を回っていた。お昼どころか夕食の時間だ…！
何か食べなければ、と立ち上がるとインターホンがタイミング良く鳴った。
「はーい」
「山森です！Aちゃん大丈夫？食べ物とか持ってきたよ」
「わー、ありがとう…ちょっと待っててね」
なんてベストなタイミング。少し散らかり気味の部屋を気持ち片付けながら玄関へ向かう。やっぱり微熱に下がっただけあって今朝より体は軽かった。
「ごめんね〜わざわざ…」
「ううん！こっちこそ突然押しかけてごめんね！」
彩加ちゃんがビニール袋から飲み物とレトルトパウチのお粥、レンチンで出来上がる野菜スープなどを取り出して机に並べてくれた。
「とりあえず消化に良さそうなものと栄養取れそうなもので簡単に食べられそうなもの持ってきたんだけど…」
「本当に有難い〜実はお昼食べ損ねちゃってて今、すっごくお腹減ってるんだ〜」
「お昼食べてないの？！風邪治すのにご飯食べないでどうするの！待ってて今すぐ準備するから！」
年下なのになんて頼りになる…流石QuizKnockで男の人たちに混ざって仕事してるだけある。
お言葉に甘えて私は休ませてもらった。
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作者名：ひなた | 作成日時：2021年9月19日 10時
