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Quizknockに入社して半年。もともと従事していた仕事とはいえ、初めは不慣れな部分もあったが段々と慣れてきた部分も確かにあった。年齢はQuizknockでは上のほう。年上の社員なんて扱いずらい部分もあっただろうにみんな気兼ねなく、教育してくれた。
「Aさん、お疲れ様です。休憩しませんか?」
「河村さんお疲れ様です。もうお昼か。なんだか最近時間が経つのが早くてあっという間にお昼です」
「充実した日々を送れているのか、ただ単純に仕事が多すぎるのか…」
「あ、仕事は楽しいです!楽しくてあっという間って意味ですよ!」
「ふふ、分かってますよ」
勿論最初に比べれば任せてもらえる仕事の量も責任も大きくなってきた。それは私を信頼してくれてる証だし、自分が何かの役に立ててる実感を持てるのがモチベーションにもなっている。今取り組んでいる仕事も河村さんから引き継いだ、重要な仕事だ。
「教えてまだ半月も経ってないのに覚えと腕がいいですね」
「いやいや、教育者が素晴らしいんですよ」
「教育者は神ですね」
「ええ、神です」
数少ない同い年の河村さんとは一見距離感が離れて見えるけど、接しやすくて私には心地やすい距離感だ。河村さんもこれ以上詰めてくることもないし、離れていくこともない。作業を終えた私は、冷蔵庫からお弁当を取り出して電子レンジで温める。
「そういえば、お弁当の件流れちゃいましたね」
「ああ、そういえば。自分が頼んだのにすっかり忘れちゃいました」
「河村さんさえ良ければ作りましょうか?」
「いえ、頼んでおいてなんですが僕は不規則な仕事時間でAさんみたいにきちんと12時にお昼を取れるように動いてもいないので…お気持ちだけ。すみません」
「いえいえ、また機会があったらなにか振舞いますよ!」
「それは、楽しみです」
近々動画の企画でお料理企画が無いか拳くんに聞いてみよう。その時に買ってきた材料で何か作れるかもしれないし。
「これ以上福良虐めたら、何言われるかわかったもんじゃないしな」
「ん?河村さんなにか言いましたか?」
「いえ、Aさんの料理楽しみだなぁって」
「…?…はい!楽しみにしててください!」
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作者名:ひなた | 作成日時:2021年9月19日 10時