【QK】貴方の言葉は花となる【ymmt】[完結]

シャガのように強い心で ページ42

【シャガ】決心


祥彰くんに、気持ちを伝えたあの日から数ヶ月。私はちかとの約束通り新曲をリリース。無事スランプを脱出しリリースする度週間ランキングでは1位を獲得し、上半期オリコン1位も獲得するなど、見事に人気を取り戻した。


«最近また返り咲いてきたね、ピオニー»

«同じ恋愛曲なのに、以前と少し雰囲気変わった？»

«これからもずっとファンです！！»



「よっ、返り咲いたピオニーさんよ」

「ちょっと、ちか！声大きいってば！」


ちかと早稲田の食堂で、青い鳥の検索結果一覧を見ていた。いつかの日のように。けれどあの時と違う点がひとつ。


「この前の曲、すっごくカッコよかったよ！」

「あ、祥彰くん！」


あの時は出会ってすらいなかった、山本祥彰くんもこの場にいること。ちかと食堂のお昼を食べているところに、祥彰くんもトレーを持ってやってきた。


「ちかさんも、こんにちは」

「こんにちは、山本くん。そちらも随分と人気なようで」


祥彰くんが所属するQuizKnockも今やYouTube登録チャンネル140万人に迫る勢い。特にチャンネルの特色上学生からの指示がとても根強い。


「いえいえ！Aちゃんには及びませんよ〜」

「まー、Aもここ数ヶ月で随分人気がぶり返してるものね」


このこの、と肘で突っついてくるちかに反抗しているとその様子を見て祥彰くんが小さく笑った。




思えばここが全ての始まりだった。最初は胡散臭いと思っていたクイズ大会で、祥彰くんに会って。そもそもあのクイズ大会だってちかに強引に連れていかれなければ参加することもなかった。

私の目の前で雑談を繰り広げる、幼い頃からの親友と、最愛の恋人に。ありったけの思いを込めて感謝を伝えた。


「何言ってんのよ」

「僕達はいつも、Aちゃんの」

『心の味方よ(だよ)』


こんな食堂で何話してんだ？って思われるかもしれないけどここが私たちが出会った場所であり、始まった場所なのだからこれ以上の場所は無いだろう。

私も、いつまでも2人の味方だよ！と話すと、2人ともとてもいい笑顔を見せてくれた。


「2人にね、報告？連絡？相談？があるの」


もう決めてしまったことだから、最後の相談は違うか。


「私、ピオニー引退しようと思って」

「え、…えぇ？！！」


やっぱりビックリするよね。

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