【QK】貴方の言葉は花となる【ymmt】[完結]

朝顔のお守り ページ39

【朝顔】偉大な友情


「ちか…ありがとう」

『……なにが』

「私のためにこんなに怒って泣いてくれて…私に本当の気持ち気付かせてくれて…」

『……いつまでもくよくよしてるからよ…！甘ったれんな…！』

「ふふ、ほんと…ごめん。ありがと…っ」

『…ばかA…！』


今のこんなくよくよした状態を、ファンのみんなにも、祥彰くんにも見せられない。芍薬だって、立派に咲いてるんだ。私は『ピオニー』なんだから立派に立ち向かってみせる。

こんなの、今まで応援してくれた人達に申し訳ないよ。


「とりあえず、祥彰くんに会ってきちんと自分の気持ち伝える」

『…うん』

「あと、新曲を1ヶ月以内に書き上げる。出来たら一番に…ちかに聴いて欲しい」

『…分かった』


ここぞと言う時に頼りになるちかに本当に感謝してる。今この気持ちを忘れないうちに、色んな気持ちでぐちゃぐちゃになってるものをきちんとまとめてひとつの曲にしたい。

それを、親友のちかに聴いて欲しい。
絶対書き上げる、今の私はやる気に満ち溢れている。私なら出来る、絶対！


「今日は本当にありがとう。今度ご飯奢るよ」

『絶対よ！デザートにタピオカも奢ってもらうから』

「はいはい」

『…嫌いとか言ったけど、本当は大好きだからね』


これだから、ツンデレは…
引っ込みかかっていた涙がまた一筋こぼれる。


「私も大好きだよ、ちか」

『うん…おやすみ』

「おやすみ、ありがとうね」




.




私はこんなにも周りの人に恵まれていたのに自分の事ばかり考えてたんだなぁ。今度は、私が恩を返す番だ。いっぱい曲を書いて、応援して支えてくれた事務所に友人に、恩返ししよう。

そして…私の才能を本気で褒めてくれた、QuizKnockにも。私の可能性を見出してくれた祥彰くんにも。

スマホを取りだし、懐かしいその名前を探してメッセージを送った。


A夜分遅くにごめんなさい。お久しぶりです。覚えていますか?

祥彰くんこんばんは。久しぶりだね。忘れるわけないじゃん


前回の連絡からだいぶ月日が経っている。気付けば季節が一つ変わっていて、それ程までに私達は連絡を取っていなかった事に気付かされる。それなのにも関わらず、直ぐに既読がついて画面を閉じる前に返事が来た。

忘れるわけない……その一言が嬉しくて嬉しくて…思わず涙が溢れてきた。

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