【QK】貴方の言葉は花となる【ymmt】[完結]

それは早乙女花なのよ ページ19

【早乙女花:へクソカズラ】誤解を解きたい


「ちょっと待って」

「え…？」

「そもそも謝らないといけないのはこちらです。ピオニーさんがAちゃんだったとは知らなかったとはいえ、うちのメンバーからオークション等を使って買ったなんて疑ってしまって誠に申し訳ない…」

「え、ちょ…伊沢さん…」


まさかの謝り返し。逆に頭を深く下げられてしまい必死に顔を上げてもらうよう説得した。伊沢さんにこんなにも頭を下げられるなんてことあってはならない…

「伊沢さん、顔をあげてください。伊沢さんが知らないのは当然ですし、それを黙っていた私が悪いんです。だから、そんな私なんかにそこまでしないでください…」

「うん、本当にごめんね。」


ようやく顔を上げた伊沢さんは、少しだけ笑顔が戻ったような顔をしているけどまだ謝罪の色が見え隠れしていた。
「因みにその本はどうしたの？」と聞かれたので私は素直に、河村さんに頂いたのだと告げると「河村さんめ…」と少しだけ怒っているようだった。う…私のせいで河村さんまで…


「だーかーら、これ以上自分を責めなくていいってば。こっちは全然平気だから」

「う…すみませ「謝るの禁止」……はい」

「それに、QuizKnock辞めるだなんて言わないでよ。QuizKnockにAちゃんは必要な存在だよ。折角みんなとも仲良くなってくれたのにさ」

「…ありがとうございます」


何でも伊沢さんにはお見通し。ピオニーを隠しきれてた自分はどこいった…
伊沢さんの大きな手が私の頭を優しくぽんぽんと撫でられ、ちょっとだけ肩の荷がおりた気がした。


「あ、あの…伊沢さん…」

「ん？まだ何か不安に思うことあった？」

「その…みんなには…」

「ああ、もちろん。言わないよ」


伊沢さんがそんな周りに言いふらす様な人ではないと思っていたけど、こればかりはきちんと伝えておかないと。それこそ、私がピオニーと世間にバレた日には、QuizKnockが目も当てられないほどの迷惑を被ることは避けられない。


「それにしても…うちは、とんでもない人材を手に入れたもんだな」

「ははは、とんでもございません…」

「そりゃ、Aちゃんが作曲した動画の再生数が跳ね上がる訳だ」


いつの日かこうちゃんと祥彰くんと3人一緒に見た動画も、再生数は1.2を争うほどの数を登りつめていた。内容も自信満々で出したと言っていた福良さんがとても大喜びしていたのを思い出した。


「これからも、よろしく頼むね。Aちゃん」

「はい！ありがとうございます」

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