【QK】胡蝶蘭 / 短編集 (ページ18)

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「Aー、寝るよー」「はーい」リビングの明かりを消して寝室のベッドに潜り込む。暗闇の中、彼女の左手をすくいあげて細い指に絡みついた。「じゃ、寝よっか」「ちょっと待って」ベッドサイドの明かりを灯して、Aの顔を見れば寝ないの？とでも言いたそうな顔。「ちょっとクイズしようよ」「え、拳くんの出すクイズ私に解ける？」「大丈夫、簡単だから」少し不安そうな彼女の顔に少し笑いかけて頭を撫で、二人して天井へと視線を移した。「問題、ローマ神話ユピテルの妻ユノーから由来し、ユノが結婚生活の守護神であることから6月に結婚式を挙げる花嫁をなんというでしょう。」「はいはい！ジューンブライド！」「ピンポンピンポーン。ね、簡単でしょ」「流石にね」「じゃあ次の問題ね」さ、ここからが本番本番。「問題、かつて心臓に繋がる血管が通ると考えられたことから、よく結婚指輪をはめる指はどれ？」「はいはーい！左手薬指！」「じゃあ、今Aの左手薬指にはめられているものは？」「え？」俺と繋いでいた、左手を徐に離してAはゆっくり左手を空にかざした。彼女の左手薬指には薄暗い明かりに確かに照らされた光る指輪。「え…、これって…」彼女の左手をゆっくり優しく包み込んで顔を右に向ければ、大きな瞳から大きな雫が静かに零れていた。「ふふ、ね。結婚しよ、A」「…はいっ！」

永久に誓う君への愛

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