【QK】胡蝶蘭 / 短編集 (ページ3)

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僕がこれだけ愛しているというのに / fkr ページ3

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「ねぇ、私のどこが好きなの」

「へ？」

いきなり、彼女であるAの口から意外な言葉が飛び出す。俺は、自分のベッドでクイズ雑誌を読んでいてAはというと、近くに置いてあったクッションを抱きしめながらこちらを見ていた。Aはじーっとこちらを見ていて俺は雑誌を閉じて、体を起こす。

「いきなりどうしたの？」

「私のこと…好き？」

いきなりすぎる上目遣いに胸がドキッとする。好きな人にに「私のこと好き？」なんて聞かれてドキドキしない男はいない筈。

「好きだよ。」

「どこが？」

「どこがって…」

「ねぇ、どこが？」

そう食入るように割り込む彼女にたじろぐ。なんだか今日のAは変だなぁ。心配になって、俺はAの目の前まで行く。

「回れ右」

「ちょ、なに…っわ…！」

Aを強制的に反対に向けて、背中から覆い被さるようにAを抱き締める。Aは耳まで真っ赤にさせていた。可愛い子だなぁ、全く。

「どうしたの、A？」

「拳くん…、私のどこが好きなの？」

また先ほどと同じ質問。
これ以上焦らすのも可哀想だから正直に話すかぁ

「Aだからだよ。」

「私…だから？」

「うん、Aだから。それが理由じゃだめ？」

「ううん…なんで私なんか好きなんだろう…て不安に思っちゃって…」

そういうとAは下を向いてしまった。

「例えば、Aは優しくて可愛くて、頭良いのに天然で…って、性格とか容姿は勿論好きだけどさ。それって、同じ性格・容姿なら誰でもいいんじゃん。ってAは思う訳でしょ？」

「うん…」

「俺の好きはそうじゃないよ。言葉に表すの難しいけどさ、気付いたら頭に浮かんでくるのがAの笑った顔で、ああこの笑顔守りたいなぁとか。泣いてたら笑顔にしてあげたいなぁとか。何よりも幸せになって欲しいなって常々思ってるよ。それじゃ…ダメ？」

肩に顎をコトンと乗せると、Aの顔は耳まで真っ赤。人に聞いといてめっちゃ照れてんじゃん。やっぱり可愛い。

「それとも具体的に箇所をあげて欲しいって言うならいくつでもあげられるよ。まずは、笑顔めっちゃ可愛いでしょ。頭撫でると猫みたいに甘えてくるところ可愛いでしょ、それに…」

「わーっ！！もう！分かった！から！！」

「まだ2個しか言ってないよ？」

「恥ずかしくて死んじゃいそう…」

クルっとこちらを向いて俺の胸に顔を埋めるAの頭を撫でてやれば、ビクッとしながらも離れる気は無いようだ