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拓司が喜びそうなことを私も考えてみた。でも普段学校は一緒では無いし、休みの日も拓司は塾で忙しくてなかなか会えない。拓司ってなにしたら喜ぶんだろう…?
あ、クイズ大会でいい結果が出せたら喜ぶのかな。
『あ、1個あった』
『今日もAとこうやって電話だけど話が出来た事、かな』
「…えっ」
私が考えていたことと、完全に違った答えに思わずビックリして無言になってしまう。
『A?』
「ご、ごめん。ちょっと、びっくりして…」
『どうした?』
「いや、拓司が喜ぶことってクイズに関することだと思ってたから…」
『いつも休みの日も俺クイズばっかりだから、Aに全然会えないし、ゆっくりこうやって話をすることもできないから、今こうやってAと話してるのが俺にとっては一番嬉しいことだよ。』
「た、拓司っ…」
さらっとこういう恥ずかしくなるようなことを言ってくる。言ってる本人恥ずかしくないのかなー!!聞いてるこっちはすっごく恥ずかしいのに!!
「わ、私も拓司とお話しできてすっごく嬉しいよ!本当は早く寝なくちゃなのに、私のわがままに付き合ってくれて…」
『ちがうよ、A。俺は、俺がAと話がしたいからAと電話してるんだよ。だけど、Aも俺と同じ気持ちになってくれてたらもっと嬉しいなってだけだよ』
「私も拓司と同じだよ!私も拓司とお話がしたくて…!」
『休みの日もゆっくり話しできなくて…ごめんな』
「ううん。拓司が一生懸命クイズしてる姿、かっこいいよ。そんな拓司だから私すっごく好きになったんだと思う。」
『A…』
気づいたら自分でも拓司と同じように恥ずかしくなるようなことを言っているのではないか…自分でも赤くなってしまっていた。
「…拓司?」
通話が途切れてしまい、無言になってしまった。どうしたんだろう?電波がよくないのかな?通話口に向かって拓司の名前を呼んだ。
するとスピーカーから軽いため息が聞こえた。
『…今、Aが傍にいなくてよかった。』
「え…?」
『きっと、今傍にいたらすっげえ抱きしめちまう気がする。』
「えっ、なっ…」
『Aが変な事言うからだよ。電話でよかった…抱きしめたりなんかしたらきっと、いろいろ我慢できなくなる。』
「な、た、拓司っ…!」
ため息なんかするもんだから、少しびくっとしたのに何を言いだすの!拓司が変な事を言うもんだから、私は顔だけではなく体まで熱くなってきてしまった。
とろけるくらいの恋愛を / fkr→←風に恋を乗せて / izw
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作者名:りんご | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月29日 14時