社長、甘やかさないでください！【2j3j】② (ページ8)

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あの後、無事限界をお迎えになった青い顔の社さんは、ふらついた足取りでチャイカさんに介抱されお開きとなった。

必然的に、私たちは頼んでしまったおつまみの処理班になるわけで。

『...枝豆に殺されそう』

加「大丈夫、枝豆は緑色だから体に優しい」

『絶妙に噛み合ってなくないか...？』

偶に出るパワーワードを流して、珍しくほんのり頬が赤いハヤトさんを横目で覗く。

長いまつげに、よく通った鼻筋、ゆるく結ばれた優しい口元が綺麗で。彼の隣が当たり前になってから忘れてしまいがちだけど、本当に美しい人だなと気付かされる。

この人がわたしをすきって言ってくれたのか。

今更ながら、とんでもない話に思えて勝手に一人で焦る。

加「.....そんなに見られたら穴空くな」

『、え？』

加「何かついてる？」

気付かれてた、という焦りとともにチラリと横目でこっちを見て軽く笑う端正な顔にドキッとする。動揺して『かっこいいなって』と、自分でも驚くほどドストレートな言葉が出た。

加「ふふ、やけに素直じゃないですか。びっくりした」

『あっ、えと、いや...ん？』

加「あはっ、ほんとにどうしたの」

急に吃るわたしを見かねて箸を置いた彼が右から顔を覗き込む。
いつもならどうって事ない距離に何故か動揺して、咄嗟に顔を隠すように覆った右手を掴まれる。

繋がった手から火照った温度が伝わって、余計に暑くなった。

加「.....A？」

『っ、！』

このタイミングで呼び捨てとか何をお考えで...？
とか考えているうちにジリジリと距離を詰められ、気付けば左肩がとんっと壁に当たった。

加「...暑い？」

『はい、だからあの、ちょっと距離を、』

加「飲みすぎたかなぁ、大丈夫？」

私の顔を覗き込んで視線がばっちりとあった瞬間に、ハヤトさんの目が揺れる。

「………ふふ、そんな顔してたの」

一瞬間を置いて、少し困ったように笑う。
...わたし今、どんな顔をしてハヤトさんを見てる？