痛い思いはしたくない

はたちあまりここのつ ページ31

貴「ここは…何処ですか」

すると三日月は首を傾ける。


三日月「お主…何をとぼける。見たことあるだろう？」



──── 夢の中で ────




───── ドクン…



私はその言葉を聞くと急に呼吸が苦しくなった。


夢の中…そうだ…


よく見ればここは…夢で見た場所にそっくりだった。


もしかして、あの女の子は…私なのではないか…


途端に全てが繋がった。



目の前には刀を持った男…私はあの時、正夢を見てしまったのか…。


そう思った瞬間…

ガシャン！ガシャン！

三日月「おお！そんなに暴れるな…主の腕が持たぬぞ…？」



愉しそうに嗤う人間ではない者…


私は必死に抵抗する。


ガッ


突然首を捕まれ私は天井のみが視界に入った。


三日月「何故なのだ…教えてくれ…琴音…」


そう言いながら手を離すが、刀の刃先を目に向けられた。


三日月「何故俺はこんな事をしているのだ…」



驚いた。まるで自分の意志とは全く別に、身体が勝手に動いていると言う口ぶりだった。


三日月「琴音を見る度に…恐ろしい感情が溢れ出てくる。」


──── ぐちゃぐちゃにしたい


貴「……っ？！」


その時の三日月は…獣のような目付きで私を見ていた。


三日月「うぐっ？！やめろ…っ！やめてくれ…」


突然唸り声を上げる三日月…。


貴「？！」


その瞬間、扉が砕かれたような音が聞こえた…

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