はたちあまりななつ ページ29
私は扉が砕かれた衝撃で飛ばされた。
貴「いっっ？！」
痛みに耐えながらゆっくりと目を開けた。
拝殿は外から丸見え状態となり、
そこには人の脚と草履らしき物が見えた。
少しずつ上と視線をずらす。
上を見て私はとんでもない恐怖に見舞われた。
長い前髪のせいで顔全部はよく見えないが、顔面が血まみれなのだろう。
血液が、首に流れ落ち、襟を濡らす。
よく見れば、刀を持っていて、その刀からは血がついている。
ゆっくりとこちらに脚を進めてくる。
月明かりに照らされている外を見る余裕など私には無かった。
「見ないうちに随分と大きくなったのだな琴音…」
琴音…？…っ？！
ふと呼ばれたその名前で私は全て思い出してしまった。
「ん？俺の事を覚えていないのか？」
幼い頃に過ごしていた本丸…
私が苦手としていた三日月宗近…
貴「…ぁ…なたは…三日月…宗…近…さま…？」
私がそう名を呼ぶと、その男はしゃがみこみ、私に額を寄せる。
三日月「そうだ、やっと思い出してくれたか…」
よかったと三日月は何度も言葉を紡ぐ。
貴「なんで…ここに…」
グサッ
その瞬間、私の腹部に焼けるような痛みが走った。
三日月「その理由は、後にちゃんと話してやる。今は俺たちの本丸へ帰ろう。」
その言葉はまるで小さな子をあやす様に優しかった。
三日月「人間というのは、愚かなものだな。ここには神など居ないというのに…」
三日月が妖しく笑っていた事は…私は知らなかった。
no-side
拝殿の中から、少女を抱えた男が出てくる。
その瞬間、先程まで止んでいた雨が再び降ってきた。
月は隠れ、外は暗くなり、男の目に宿る三日月は赤く光っていた。
三日月「これが…闇堕ちというものか…」
男が顔を上げ、空を見上げる。
すると頬に血水が伝い、少女の頬に流れ落ちた。
その水が、涙なのか…雨による水滴か、誰にもわからない…
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舞美(プロフ) - この作品好きです最高ですありがとうございます。これからも無理せず頑張って下さい(スライディング土下座) (2018年4月16日 17時) (
レス) id: 255c96dc1d (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅー - 面白すぎてやばいです。。。はよ続き見たくて仕方ないので無理のないくらいに頑張ってください！ (2017年11月2日 16時) (レス) id: efefd20e2f (このIDを非表示/違反報告)
ももたろす(プロフ) - この作品大好きです(；＿；)これからも頑張ってください応援してます！ (2017年10月21日 23時) (レス) id: 2734e17d0f (このIDを非表示/違反報告)
残念なイケメン系女子(プロフ) - 良いですね!!ヤンデレ三日月!!やっぱり三日月って眼が恐そうなイメージあります!! (2017年10月16日 1時) (レス) id: 3a6694e634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紀ヒロ | 作成日時：2017年10月1日 23時
