神に狙われた子

参拾伍 ページ37

今剣side


ぼくは今、Aのお母さんの家に来ています。



正確には窓から覗いているだけです。



Aのお母さんは、いつもAの写真を見つめています。



ガチャ…


今剣「こ、こんにちは」


ぼくは勇気を出して尋ねました。



母「？！あなたは！！今剣様？！何故ここに？！」


お母さんは、慌てて僕に土下座しました。


ぼくも慌てて、お母さんを立たせました。


そして…話をしました。



こっちでのAの様子、三日月達との生活


最近あった出来事など…


１週間掛けて話しました。


その話を聞く度にお母さんの表情は、切なさを増して行きました。



そして…とうとう


母「っ！！Aに、会いたい…」


泣き出してしまいました。


まるで子供のように、


僕はなんて言葉をかけたらいいのかわからなくて、ただ頭を撫でてあげることしかできませんでした。


大切な人を奪われて、平静を保って居られる親なんて居ないでしょう…



ぼくは、気づけば、ごめんなさいと謝っていました。



母「今剣様？」


今剣「ごめんなさいっ…ごめん、なさいっ…」


Aのお母さんに抱き締められると、まるでAに抱き締められているかのように…すごく安心出来ました。


今剣「もう少しだけ、このままでもいいですか？」


するとお母さんは、笑顔で はい と言っていくれました。


そして…ぼくは決意しました。




＿＿Aを此岸に帰そう ＿＿。



と。

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