神に狙われた子

拾肆 ページ16

貴「えっ…なんで私の名前を？」


するとその方はキョトンとしてからつぶやいた。


「そっか…おれの事は忘れちゃったんだね…」


私はなんとなく、横に座った。


貴「すみません。……どこかでお会いしましたか？」



「いやぁ！いいんだ別に…えっと！おれの名前はひぐれだ！よろしく！」



貴「はい！私の名前は」
ひぐれ「Aでしょ？」


ひぐれ様は笑顔でそう言った。



貴「あの！ひぐれ様！」


ひぐれ「様って、呼び捨てでいい！敬語も禁止！わかった？」


不満そうなひぐれ…の表情に驚きながら、渋々頷いた。


貴「ひぐれは、なんでここにいるの？」

ひぐれ「Aを迎えに来た。」


迎えに来た？私を？


貴「なんで？」


ひぐれ「Aに会いたがってる人がいるから」


この時ひぐれは少し複雑な表情をしていた。


貴「会いたがってる？」


ボソッとつぶやくと、ひぐれは立ち上がる。



ひぐれ「そう！だから…明日迎えに来る。今日は無理っぽいから」


私は屋根の下を見ると、三日月宗近様が私の部屋に向かっているのが見えた。


貴「あ！三日月宗近様が…」



ひぐれ「早く行きな、あ…この事は奴らには言うなよ？絶対だからな！」


そう言うと、ひぐれは屋根から飛び降りた…


慌てて下を見ても誰もいなかった。



貴「あれ？ひぐれ…？」


辺りをキョロキョロしてみたがやはりひぐれはいなかった…


岩融「A！！ここにいたか！さがしたぞ？！」

今剣「Aさまみぃーっけ！みかづきがしんぱいしてますよ？」


岩融様と今剣様がひょこっと下から顔を出し、私の元に来た｡



貴「すみません…すぐに降りますね。」




そう言って、私はその場を後にした。

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