１１話 ページ13
貴「え？！終わって大丈夫なんですか？！」
三日月「もうスタッフの元に繋がったからあとは向こうが何とかするだろう。問題ない。」
三条さんは 風呂を入れてくると言ってリビングを出た。
貴「これって誘拐？誘拐だよね？」
大きいテレビを見ながら１人で呟いた。
ガチャと音がして三条さんはソファに寝転がる。
私は取り敢えず、絨毯(じゅうたん)の上に座った。
するとテレビ画面がぱっと切り替わった。
三日月「A…」
三条さんは私を優しく呼ぶと、立ち上がった。
貴「なんですか？」
三日月「あの時の質問の回答をしよう。」
貴「っ？！そう言えば…聞いてませんでしたね。」
すると三条さんは付いてこいと言うとリビングを出た。
三条さんについて行くとある部屋の前で立ち止まる。
三日月「この部屋に入れば、わかると思う…」
そう言うとドアを開ける。
私は入った瞬間…すべて繋がった。
そう…すべての疑問が解決したのだ。
そして彼を心底気持ちが悪いと思った。
何故なら、
彼の部屋の壁一面が写真まみれだったからだ…
全部私の写真だ…
中には写真の上に付箋で場所と時間が書かれているものもあった。
いわゆるストーカーという奴だった…
でも…何故か恐怖はなかった。
何度でも言うけど…気持ち悪さはレベルマックス。
三日月「俺のお気に入りの部屋だ。」
そしてそれを本人前にして開き直っている…ある意味見習うべきか。
貴「すごいいっぱい私がいますね。いったいいつから私を？」
するとヘンタイさんは楽しそうに話す。
なんでこんなになるまで放置してたんだ…何してるんだ親は…！！
イケメン俳優台無しだな…
でもまあ、表には晒されてないのか…
三日月「Aに夢中になったのは今から３年前だ。その時俺は大学生だった…」
この人大学いってたんだ。
大学の名前を聞くと超頭いい大学だった。
ほんと…なんでこんなヘンタイに成り下がったのか…
そして、何がこのヘンタイをそうさせたのだろう…
貴「はぁ、よくもまあ飽きずに…きっかけは？私三条さんに会ったことないと思うのですが…」
私がそう言うと三条さんは まぁ、そうだろうな と言う。
三日月「夏に１度、東京で行われた弓道の全国大会を覚えてるか？」
私はその記憶を必死に探した…
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作者名：紀ヒロ | 作成日時：2018年2月4日 0時
