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傑と雑談しながら、祓い損ねた呪霊がいないか軽く確認していく。
「それにしても、さっきの術式は校庭でやっていた雨の応用なのかい?」
1-Aと書かれたプレートの下がったドアを開けて呪霊がいないか確認していた時、傑がそういえばと言ったふうに話しかけてきた。
『あ、毒霧のこと?
お目が高いねー』
「どうも・・・?」
『ふふん、毒霧は毒雨の雨粒を滅茶苦茶小さくすることで出来るんだよね。
この型を作るのは大変だったなあ・・・習得に一年ちょっと掛かったのはいい思い出』
私がドヤ顔で話すと、傑は感心したように笑った。
その後も他愛のない話を続け、歩いていると昇降口まで戻っていた事に気づく。
「1階はもう居ないみたいだね」
『だねー・・・じゃあ2階行こー』
傑と横並びになって階段を上がる。
「・・・ひとつ思ったんだけど、この階全体をAの毒霧の陣で覆って一気に呪霊を殲滅・・・ってことはできないのかい?」
『あー・・・うん、毒霧とか毒雨とかって範囲が大きくなると呪力消費が大きくなっちゃうんだ。あと効力も弱まっちゃうし・・・
さっきの校庭のも、さっきのも・・・かなーり呪力消費してるんだよね』
「!一級には・・・」
『それは大丈夫!その二つ以外は呪力消費少ないし、私には特級呪具もついてるからね。一級になら問題なく勝てるよ。
特級レベルって言ってたのは不安だけど・・・』
『・・・今回は独りじゃない・・・傑もついてる』
ふわりと笑って、そう言ってみる。傑は少し驚いた顔をしてから「そうだね」と微笑んだ。
『へへ・・・・・・んぁえっ!』
そんな和やかな空気をぶち壊すように私達に飛び込んで来たのは呪霊。
思わずま抜けた声が出てしまったが、すぐに建て直して短刀を構える。
呪霊は階段の下から私たちを見上げる。
一級・・・。任務対象かな。
『蠱毒呪法・弐。・・・毒纏』
私がそう唱えると、構えた短刀が毒を纏う。
傑も後ろに付かせていた呪霊を一級呪霊に向かわせた。
私はそれを見てトンっ、と跳躍し、呪霊に肉薄する。
それをおって傑の呪霊も階段の下へ液状化して移動する。動きは遅そうだ。
取り敢えず動きを止めてみようかな。
「・・・麻痺毒に変換っと」
私は空中でそう呟き、短刀に纏わせた毒が変化するのを確認し、短刀を横や縦に振るった。
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干し芋様 - 無関さん» ありがとうございます!!面白いと言って貰えて良かったですw更新頑張ります! (2021年12月13日 20時) (レス) id: 82356caa87 (このIDを非表示/違反報告)
無関 - すげぇ面白かったです!! (2021年12月11日 17時) (レス) @page41 id: dbba37e842 (このIDを非表示/違反報告)
干し芋様 - 紅さん» めっちゃくちゃ嬉しいです!!更新頑張ります! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 82356caa87 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - 神作品まさに神作品 (2021年8月3日 22時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
干し芋様 - そう言って貰えて嬉しいです…!応援ありがとうございます、頑張ります! (2021年7月8日 20時) (レス) id: 0f667d0daa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:干し芋様 | 作成日時:2021年5月28日 20時