junior high school days ページ10
その後先輩は私を最寄り駅まで送ってくれた。
本当は家まで送ってくれるって言ったけど
それは断って
「本当にいいの？気をつけてね」
「はい！ありがとうございます」
「じゃあ、おやすみ」
1人、電車に乗る。
ここからなら、ほんの数駅だ。
先輩とバイバイしたら途端に寂しくなって
彼氏でもなんでもないのに
すぐにまた会いたいな。なんておこがましいこと考えてる。
家に着いたら、
タイミングを狙ったように
「家ついた？」ってLINEが来てて
「はい無事に！」
送ると
返信がすぐに既読になって
「よかった。おやすみー」
わざわざLINEくれるほど優しいくせに
淡白な文に、先輩らしさが現れすぎてて何だか笑えた。
次の日ご機嫌に出社して
リカちゃんにまたしてもこの事話したら
「やっぱりドラマだぁ！運命ですね！」だって(笑)
「運命なんかじゃないよぉ(笑)」
そんなこと言われたらにやけちゃう。
「それはそうと、先輩とAさんは中学時代は何もなかったんですか？」
「中学時代？」
そう。
思い返すのは、もう十数年前
中学に入学して、私は週に数回だけ活動する写真部に入部した。
そんな時、
文化祭で写真展を開いた写真部は
それぞれ撮りためて来たベストショットを現像して
部室になっていた社会科準備室に飾った。
それを見に来たのが二宮先輩。
今よりずーーっと華奢な体で
軽音楽部なのか、背中に重そうなギターを背負って
ぐるっと部屋を見て回ると１つの写真の前で止まった。
そして、振り返ると
「これ撮ったのだれ？」
驚いたように目を丸くして言った。
「それは、朏さんのだね。」
当時部長だった先輩が答えると
「みかずきさん…？え、だからこれ…？」
セーラー服の胸に着いたひらがなの名前の刺繍を見て
私をみつけた先輩が私に言った。
「たまたま…です。」
そう。
その時私が出展したのは
たまたま撮れた三日月の写真で…
「すごい(笑)！！月の写真って取れるもんなんだ！」
やけに興味を持ってくれた先輩が
あまりにも楽しそうに聞いてくれるから
「一眼レフのカメラに…」
私は初対面の先輩にベラベラ喋っちゃって
その後、
「あっ！！やばい！時間！」
やっぱりステージで演奏するって
先輩が慌てて飛び出して行くまで話した。
その日、
こっそり先輩のステージも端の方で背伸びしながら見たし、
その日以降も
会えば話したりもしたけど
「何かあったか」と言われると
…何もない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1565人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こまち(プロフ) - すりおろし梨。さん» 自分で書いておきながら純粋にもほどがありますね！（笑）先輩も主人公ちゃんも！ (2016年10月30日 23時) (
レス) id: e91552ea99 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 2人とも かわいいなあ〜(笑) (2016年10月30日 13時) (レス) id: c42c4ca209 (このIDを非表示/違反報告)
こまち(プロフ) - ジュンさん» 今回は特にあま〜い先輩でお送りしております( ＾∀＾) (2016年10月26日 23時) (レス) id: e91552ea99 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - めーっちゃくちゃ甘い先輩、好きですーー！いいなぁ、でも先輩の胸の中で寝られるなんて、ホントに幸せだね〜！ (2016年10月25日 6時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
こまち(プロフ) - みぃこさん» 楽しみにして頂き、ありがとうございます( ´∀｀) (2016年10月21日 2時) (レス) id: e91552ea99 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こまち
| 作成日時：2016年10月9日 1時
