検索窓
今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:538,786 hit

respect ページ8

二宮先輩が連れてきてくれたお店は
意外にも昔懐かしい感じの居酒屋だった。


「こんなとこでごめん。」


そう言いながら冷えた烏龍茶を飲む先輩の
ゴクリと動く喉仏は、…なんだかセクシーで。


声は特別低い訳じゃないのに、
可愛い顔してるのに、

オトコだなー。と思うと変に意識しちゃう。


「いえいえ、こういう店の方が好きです。」


これはお世辞とか嘘じゃなく本心。

「そっか、よかった。でも車で居酒屋は不正解だけどね。」

「私も免許は持ってるんですけど、車は持ってなくて」

「朏の運転とか怖すぎるから、今日は俺我慢するから飲んで良いよ」

「ちょっと!何でですか(笑)!でも先輩を差し置いてまで飲めないので大丈夫です」


私が言うと二宮先輩はまた嬉しそうに笑って

「居酒屋来て誰も酒飲まないって(笑)」

「でもお料理が美味しいです」

「ね、家庭の味するよね」って、だし巻き卵を頬張った。

「そう言えば先輩って何の仕事してるんですか?」


再会してからというもの、先輩はいつもスーツだから気になっていた。
しかも忙しそうにしてるから余計気になる。


「あー、俺はね、建築?デザイン?そんな感じのことやってるよ」

「へぇー!建築」

「お客さんの希望とか予算から、家の間取り考えてー、壁に使う材質決めたりとかー、細かいこともやるよ」

「なんか凄いですね!でも先輩そういうの得意そう…!」

「得意…かなぁ?(笑)でも楽しいとは思ってるよ。」

「良いですね。なんか。」


仕事の話をする先輩はやっぱり何だか嬉しそうで

「そういう朏はどうなの?」

恐らく意識してない上目遣いで
チラリと目線を向けられると

「私は…まぁ、雑誌の編集…」

「雑誌!?すごい!え、何の雑誌?」

自分は自分の仕事のこと
そこまで自信持って言えるか不安になった。


「…piccaって知ってますか?若い女の子向けのファッション誌…」

「picca? …ごめん。聞いといて何だけど、女の子の話題に疎すぎて分からないや。」

「ううん!良いんです。コンビニとかで見かけたら見てくれれば」

「うん。でもやっぱすげーなぁ。朏って昔から、特別目立つタイプじゃないけど、自分の好きなことには努力惜しまないっていうかさ… そういう雑誌の編集の仕事ってそう簡単につけるもんじゃないでしょ?」

なのに先輩はそう言うと

「俺尊敬するなぁ…。朏のこと」

うん、尊敬する。って染み染み呟いて
頬杖をつきながら私を見た。

mean→←next you



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (570 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1565人がお気に入り
設定タグ:こまち   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

こまち(プロフ) - すりおろし梨。さん» 自分で書いておきながら純粋にもほどがありますね!(笑)先輩も主人公ちゃんも! (2016年10月30日 23時) (レス) id: e91552ea99 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 2人とも かわいいなあ〜(笑) (2016年10月30日 13時) (レス) id: c42c4ca209 (このIDを非表示/違反報告)
こまち(プロフ) - ジュンさん» 今回は特にあま〜い先輩でお送りしております( ^∀^) (2016年10月26日 23時) (レス) id: e91552ea99 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - めーっちゃくちゃ甘い先輩、好きですーー!いいなぁ、でも先輩の胸の中で寝られるなんて、ホントに幸せだね〜! (2016年10月25日 6時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
こまち(プロフ) - みぃこさん» 楽しみにして頂き、ありがとうございます( ´∀`) (2016年10月21日 2時) (レス) id: e91552ea99 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こまち | 作成日時:2016年10月9日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。