happy time ページ47
「あの、本当に汚いし、狭いんですけど…」
玄関にお客さん用のスリッパを出すと
「お邪魔します」
先輩が私の部屋に足を踏み入れる。
独身女のワンルームマンションに
不釣り合いなくらいおしゃれなスーツ姿の先輩がいる。
「テーブルのとこ、良かったら座ってください」
「ん、さんきゅ」
「ク、クッションも！」
「どーも」
私が手渡した花柄のクッションを抱えて
スーツのままあぐらをかいた先輩が
「お土産買えなかったから、コレ」
黒い鞄から取り出した袋を
立ちっぱなしだった私を見上げるように差し出して
「なんですか？これ」
「Aがすきそうなやつ」
受け取った袋には
【TOKYO】の文字。
恐らくさっき駅で買ったんだろうけど、
「あ！！！」
中身は私が大好きなチーズケーキだった。
「好きでしょ？」
「大好きです！」
先輩にチーズケーキが好きだなんて言ったことが無いのに
「良く飯食いに行くと、いっつもデザートにチーズ系選ぶなぁって思ってて」
「…先輩流石ですね」
そうやって気が付いてくれるところが
凄く嬉しい…
嬉しさに気を取られて
「あれ戻っちゃったの？」
「え？？？」
「先輩？」
「あっ…」
和也さん呼びをウッカリ忘れてしまって、
「インドア代表の俺が走って終電飛び乗って、帰って着たんだから、それなりのご褒美が欲しいですね」
にこりと微笑む先輩にいつの日かのように
手を引かれると
これまた、いつの日かのように先輩の腕の中…。
「んー、苦しいな」
私と密着した向かい合わせのまま
鬱陶しそうにネクタイを緩める先輩は
なんだかもう…ただの色気の塊って感じで
「これ、とってよ」
緩んだネクタイの結び目の隙間から見えるシャツのボタンを、
私に外せなんて言う意地悪も
先輩にされるなら嬉しく思ってるなんて…
言えるわけが無い。
だけど、
「…わ」
ボタンを外したら外したで
はだけて見える鎖骨とか、もう…
「わ？(笑)」
「…わけわかんないです…」
お手上げなくらいセクシーで
「A、好きだよ」
これから悪戯する無邪気な子供みたいな顔して
耳元でいつもより低く掠れた声で言われたら
「私も、好きです」
「誰が？」
「…和也さん、がです。」
そこからはもう、
本当によくわからない。
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こまち(プロフ) - すりおろし梨。さん» 自分で書いておきながら純粋にもほどがありますね！（笑）先輩も主人公ちゃんも！ (2016年10月30日 23時) (
レス) id: e91552ea99 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 2人とも かわいいなあ〜(笑) (2016年10月30日 13時) (レス) id: c42c4ca209 (このIDを非表示/違反報告)
こまち(プロフ) - ジュンさん» 今回は特にあま〜い先輩でお送りしております( ＾∀＾) (2016年10月26日 23時) (レス) id: e91552ea99 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - めーっちゃくちゃ甘い先輩、好きですーー！いいなぁ、でも先輩の胸の中で寝られるなんて、ホントに幸せだね〜！ (2016年10月25日 6時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
こまち(プロフ) - みぃこさん» 楽しみにして頂き、ありがとうございます( ´∀｀) (2016年10月21日 2時) (レス) id: e91552ea99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こまち
| 作成日時：2016年10月9日 1時
