『…おすすめは？』 ページ2
すると
「次の予定まで時間があるし、大丈夫ですよ」
顔見知りのお客様の声に、ハッと目線を上げると
目に映ったのは、大丈夫ですよと笑うお客様
そして、少し嬉しそうな彼の瞳だった
彼は無表情なのに、行動がちょっとソワソワした様子で
「おすすめは…」
っと聞いてきたので
その様子が男性にも関わらず、なんだか愛らしくて笑顔になって応えた
「どんなものが苦手とかありますか？」
「あー……パサパサしたのとか苦いのッスかね…」
少し
伝えてくれる彼は、本当に嫌いなんだろうなと
私は、その話を軽く
「チーズスフレなど、おすすめします。こちらがチーズスフレ。それからコチラが…ガトーショコラ、そして旬のフルーツを入れたゼリーです。いかがでしょうか？」
個人的なおススメで申し訳ないですがと、一言
ジッとショーケースを見る彼
「じゃあ…。えと、その３品いただいても、いいッスか？」
緊張しながらなのか目を合わせずいう彼の言葉に
嬉しさを感じて、口角が上がる
「はい！ありがとうございます」
プリン以外の両親が手がけたスイーツ達も
どうか好きになってくれますようにと思いながら
トレーへ乗せて、そこから箱に詰めていく
「ショートケーキとモンブランも、一緒にお願いしていいですか？」
顔見知りのお客様から笑顔でそう言われ
私も笑顔で応対して、ショートケーキとモンブランも箱に詰めていく
「持ち帰りのお時間は、何時間でしょうか？」
保冷剤を入れる為、聞くと2時間ほどだと返ってきたので
保冷剤を2つ箱の中に添える
「お待たせしました」
「ありがとうございます。また来ますね」
顔見知りのお客様が笑顔で箱を受け取り
また来ますねと言ってくれた嬉しさに
私もパァッと笑顔になり口を開いた
「はい！またお待ちしております」
笑顔で、お二人を見送り
カランｯカランｯとドアベルが鳴りながら閉める
新たなお客様が来るまで
私は、両親の手伝いへとシフトチェンジする
今日も、両親の作った
誰かが幸せになりますようにと祈りながら
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←『いらっしゃいませ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃるこ | 作成日時：2022年6月18日 12時
