『いらっしゃいませ』 ページ1
-都内某所-
「ありがとうございました！」
「また来るわね」
私も嬉しく思い、笑いながら
「はい。また、お待ちしております」
っと頭を下げる
カランｯカランｯとお客様がお店を出る足音
それと共に、軽快なドアベルが鳴り響いた
よしっ。と意気込み、トレーやトングの片付けを終わらせると
「A〜！出来上がったケーキをショーケースの中に並べてくれる〜？」
っと厨房から聞こえた母の声に
私は、
父と母が手がけたケーキ達を、ショーケースに入れ終わってキラキラと
気品を感じさせるデコレーションの数々に、優しい気持ちになる
すると
カランｯカランｯと店のドアベルが響いて
顔を上げる
「いらっしゃいませ」
人当たりよく笑顔で迎えると
顔見知りのお客様と、ご新規のお客様がいた
「こんにちは」
とスーツを着た男性が
「こんにちは！また来てくださって嬉しいです」
また来てくださったことが嬉しくて
いっそう笑顔が深くなったけれど
顔見知りのお客様がよく買ってくださる
プリン無いことに気付いた
「あ、本日はミルクプリン売り切れてしまって…」
「え、ないんすか？！」
新規のお客様が、前のめりになって急に距離を詰めたので困惑しながら
「は、はい…」
と応えたら、マジかよ…と言い
見てわかるほど、お客様は落ち込んでいた
「まぁまぁ、そんなこともあるさ」
と少し
それに対して、でもよぉ…とさらに落ち込む彼
ここまで両親の店の商品を好んでくれるのは
嬉しいなと私は少し
「ミルクプリンは、すぐお出しすることはできませんが…。もし良ければ、他のデザートやケーキも見ていかれませんか？」
「えっ、あ、えと…」
ぴくりと肩を上がって困り顔のまま、顔見知りのお客様に視線を送る彼に
私は、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃるこ | 作成日時：2022年6月18日 12時
